230 / 267

第231話

「美味しい…… コーヒーってこんなに美味しいんや……」 「ブレンドから焙煎、淹れ方までこだわってるからね」 店長さんの淹れたコーヒーは本当に美味しかった。今まで飲んだコーヒーの中で一番だ。 コーヒーと一緒にサンドイッチも出してくれて、なんていい人なんだと思った。 サンドイッチを食べていると、働いているであろう従業員の人が入ってきた。 しかしその人物は見覚えのある人で。 「おはようございます……って姫くん?!」 「あれ?!白雪くん!?」 前にバイトしてるとは聞いていたけど、ここで働いていたとは……!すごい偶然だ。 白雪くんはびっくりした顔をしている。どうせゆーくんから事情は聞いているだろうし、開店前のお店でくつろいでいるんだ、無理もない。 「お願い!ゆーくんには内緒にしといて!」 「えぇ! でも…… 早く仲直りした方が……」 仲直り……したいけど、ゆーくんが謝らないと俺も謝らない! 「何があったの?姫くんがそんなに怒るなんて……」 「聞いてくれる?」 俺はポツリと話し始める。

ともだちにシェアしよう!