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第235話
「仕事は?」
「半休取ってたんだ。最近構ってやれてなかったから」
「そうだったんだ……。ごめん…俺……」
「俺も悪かった。仕事で疲れてる俺の為に朝食作ってくれたんだよな」
あれを朝食と呼ぶのか定かではないが、まぁ一応朝食だ。
ゆーくんは俺の考えているいる事をきちんと分かってくれていた。
分かってないのは俺の方だったんだ。
「美味かったぞ」
「は?!食べたん?!トーストまっ黒焦げだったのに!」
「焦げた部分を削ったら以外と食べれたぞ」
嘘だろ?!あんなの食べれるわけない! 笑って美味かったと言っているけど、絶対不味かっただろ!
確かに帰ってきてトーストがないとは思ったが、捨てたんだと思うだろう。
「な、なんで食べたん!絶対不味いやん!」
「好きな人に作ってもらったんだぞ?残す訳ない」
「ゆ、ゆーくん……好き抱いて……」
ギュッと抱きしめ返すと、ふわりと体が浮いて横抱きにされた。お姫様抱っこだ。
チュ、と俺からキスすればゆーくんは嬉しそうに笑っていた。
ゆーくん、世界一好きやで。
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