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第243話

バイト帰り、中々帰る気になれなくて街をフラフラと歩いていた。 今日はアリスは遅くなるらしいが、何となく家に帰りたくなかったのだ。 はぁ、とため息をついて、近くにあったベンチに座った。 流石に歩きっぱなしはしんどい。 すると、衝撃の現場を目撃してしまう。 「な、んで…?」 なんで、なんで、リンとアリスが一緒に歩いているんだ… しかも出てきた店は婚約指輪を専門的に取り扱っているジュエリーショップ。 目眩がした。 「ま、って…」 なんで… 追いかけたい、だけど足は動かなくて。 2人はネオンの光に包まれて消えていってしまった。 きっと愛想つかされたんだ。迷惑かけて、面倒なガキ。 素直じゃなくて、可愛げもない、育ちも悪い。 そんな僕より、リンの方がいいに決まっている。 諦めた方がいいのかもしれない。 でも… 「好きなんだよぉ…ばか…」 震える声で呟いたその言葉は、騒がしい街に飲み込まれていった。

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