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第247話

「神楽坂さんは、ユキとどう言う関係なんですか?」 「恋人」 「本気なんですか?」 「本気だよ」 付いてくるなと言ったのに、しつこく後ろを付いてきて、質問攻めにあう。 ジュエリーショップの中にまで付いてきて、いい加減にしてくれないだろうか。 それに白雪の話になると、白雪を小バカにしたような喋りになって、気に入らない。 あはっ、と後ろでバカにしたような笑い方をし、グッと腕を掴まれた。 「なんでユキなんですか?俺の方が断然可愛いと思いません? それに、ユキの事知ってます? あいつ、親に売られたその後性奴隷のように扱われてたんですよ。 汚い体なんです、あいつは」 くくっ、と楽しそうに話すリン。 オークションで店長さんに買われた事は知っているが、その前の話は初耳だ。 だからと言って、引いたり、咎めたりはしない。俺はどんな白雪でも受け入れる。 昔の辛い思いをした分、それ以上に愛情を注ぎ、大切にしたいと思っている。 「だから、俺にしませんか。俺なら貴方をもっと気持ちよくして見せる」 「確かに君は可愛いね」 スルッと首に回ってくる手を振りほどき、また歩き出す。 俺のその言葉に、ふっ、と笑って「じゃあ、俺に…」とふざけた事を言う。 「君は可愛いけど、性格に問題があるようだね。 例え可愛いくても、君みたいに性格悪い子とは付き合えないし興味ない」 「は…? 俺がユキに負けるはずないじゃん」 「俺の中では白雪が一番だから。 君には興味ないな」 ハッキリとそう言うと、リンの目が大きく見開かれ、奥歯をギリッと噛みしめていた。

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