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第249話

急いでお店に向かうと、店長さんが出迎えてくれた。 苦笑いして申し訳なさそうにしている。 きっと白雪の為に俺に電話を掛けてくれたのだろう。 店長さんにとって、白雪は自分の子どものような存在だから心配なのは当然だと思う。 「急にすいません。お忙しいのに」 「いえ、白雪は何処に居るんですか? 俺なにか不安にさせるような事したのかなぁ…」 本当に思い当たらない。不安にさせるような事は何もしていないと思うんだけど…。 凛という子に会ってから、白雪の様子が可笑しいのは気付いていた。 ……浮気ってそういう事…? 俺と凛が付き合ってると思ったのか…。 「奥の部屋で閉じこもってます。開けてくれるか分からないですけど…」 「分かりました」 案内された奥の部屋、ドアを開けようとするが鍵が掛かっているようだ。 ちょっと傷つく…。 「白雪、迎えに来たよ。一緒に帰ろう?」 「誰ですか。帰りません」 「白雪の好きなアリスですよ。なんで帰らないの?」 「………」 だんまりか。 せめてこのドアを開けてくれたら良いんだけど。 どうしてそんなに拒むんだろうか。その理由を聞かない事には俺も分からないしなぁ。 「ドア開けて? 白雪に会いたいな」 「僕は会いたくないもん。 俺なんかほっといて凛のとこ行けばいいでしょ!」 え?なんで凛が出てくるんだ?

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