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第252話
凛と浮気しているなんて思い込み、みーくんの所へ逃げて、二人に迷惑を掛けてしまった。
アリスに謝らないといけないのに、こんな酷い顔見せたくないから、近くに置いてあったタオルケットを顔に巻いた。
そのタオルケットをスルリと取られ、僕の前に膝まづいて微笑むアリス。
ポケットから四角い箱を取り出して、中には小さなダイヤが付いたシルバーの指輪が光っていた。
「俺と結婚して下さい」
目を見開き、アリスと指輪を交互に見た。
夢、なの? だってこんなの嘘みたい…。
僕でいいの?相手は僕で合ってる?
色々な感情が入り交じり、頭がパンクして真っ白になってしまった。
そこからの記憶は一切ない。
目が覚めると、見慣れた天井が。家に連れて帰られたようだ。
やっぱりさっきのは夢、だよね…。
今までアリスには、プロポーズとも取れる言葉を貰ってきた。だけど、結婚となると不安になる。
本当に僕でいいのか。
アリスにはもっと素敵な人がお似合いなのではないか。
僕たちの関係は世間では祝ってもらえない。もし、そんな事が知れ渡ったらアリスの未来を潰すことになる。
だから、安易に「はい」と答えることは難しい。
もちろんプロポーズは嬉しいし、僕だって出来ることならアリスと結婚してずっと一緒に居たいと思う。
でも、それは簡単じゃない。
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