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あっという間に日は経ち、約束していた日になった。
かなり前から荷造りしてたから忘れ物はないはず。スマホと着替えさえあれば後は向こうに揃っているみたいだから、たぶん大丈夫だ。
家を出て、タクシーで空港まで移動する。
これから飛行機に乗って、それからフェリーで別荘のある場所まで行くらしい。
飛行機に乗るのは二度目だが、やっぱり怖かった。地面から飛び立つあの感覚は慣れない。
アリスは二日間休みを取ったから、仕事を出来るだけ終わらせると言って前日まで徹夜して仕事をしていた。
だからあまり寝ていないのだろう。隣で爆睡している。
暫くして、着陸するというアナウンスが流れた。気持ちよさそうに寝ているから起こすのが可哀想だけど、放っておくわけにはいかない。
「アリス、もう着くよ。着陸するって」
「んー…、早いなぁ…まだ5分も寝てなくない?」
「一時間は寝たと思うけど…」
やっぱり疲れてるんだな…。別荘に着いたら先に寝かせてあげよう。
飛行機を降りて、タクシーでフェリー乗り場まで移動する。
港にたくさんの船が浮かんでいて、今からこれに乗るんだと思うとワクワクする。
「アリス、大丈夫?眠い?」
「んー、だいじょうぶだよー」
「大丈夫じゃないね。もう少しで着くよ」
アリスの目が33になっている。
僕がアリスをおんぶしてあげれたらいいのに、この身長差ではとても無理だ。
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