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第32話

俺の声に会場中がどよめき始めた。 ステージに立ってる司会者もびっくりしたマヌケな顔をしている。 隣の男性からは「正気じゃない」と言われたが、構うものか。 人を買ってるお前らの方がよっぽど正気じゃない。 オレは今から買おうとしてるがな。 「お、おい!正気か!?やめとけって...」 「うるせぇ!命掛かってんだ!!黙ってろ!」 友人の制する声が後ろから聞こえるが、そんなの気にしてられない。 オレはステージに上がり、マイクを持って司会をしていた男に財布ごとぶん投げた。 たぶん10万は入ってる。 10万じゃ安いか...? まぁいいや。 「おら、さっさと行くぞ」 「は、はい...!ありがとうございます...!」 オレはユキを連れ帰り、面倒をみた。 本当の家族のように接した。 ユキはオレに恩返しをする為に、オレが経営するゲイ風俗で働き始めた。

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