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第33話
*
僕の1番知られたくない過去が今、アリスに話された。
いずれは話す時は来ると思っていたけど、あまりにも早すぎて、少し複雑な気持ちだ。
アリスは黙ったままで、俯いている。
嫌われたかな...
「もう恩は充分返して貰っています。
だから、ユキをよろしくお願いします」
「こちらとしては嬉しいですが...美影さんは、いいんですか?」
その言葉に、みーくんは躊躇することなく「はい」と答えた。
ホッとしたような、どこかスッキリしたような様子だ。
「ずっと心配だったけど、好きな人できてよかったな。たまには店に顔出しにおいで」
「...うん......ありがとう...」
みーくんは椅子から立ち上がり、扉の方向いて歩いていった。
お店を抜けて来てくれたから忙しいのだ。開店までの準備が大変だから...
「絶対幸せにします...!」
アリスの言葉に、フッと微笑んで出ていってしまった。
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