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第47話
ポッと自分の顔が赤くなるのが分かった。
僕から...アリスにキス...
恥ずかしいけど...それで機嫌が直るのなら...!
「じ、じゃあ、こっち向いて...目瞑って...」
「はい」
キュと目を瞑ってこっちを向くアリス。
意を決して、その薄い唇にほんの一瞬触れた。
一瞬だったけどキスはキスだよね...
ホッとしていたのも束の間、再度唇が合わさった。
今度は触れるだけじゃなく、唇を割ってアリスの舌が入ってきた。
熱い舌が口内を荒々しく、だけど優しく掻き回す。
キスに応える事も出来ずに、僕はもうされるがままだった。
飲みきれなかった唾液が顎を伝い、下に落ちていく。
やっと解放されて肩で息をしていると、顎を伝った唾液をペロリと舐め取られ満足そうにしているアリスが言った。
「キスって言うのはこうするんだよ」
ニヤニヤしながらそんな事を言う彼は性格が悪いと思う。
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