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第2話 - 08*
「えっ? えっ!?」
鈴木の動きに一瞬反応は遅れたが、扉に近いのは僕だ。反射的に扉を開けようとして、それが内開きのドアだったことに気が付いた。それはつまり、ドアを開けるには自分が邪魔だということだ。慌てて身を翻してドアレバーを捻る。しかしそれより早く、耳元でどんと大きな音がした。ゆっくり首だけ振り返って見れば、鈴木がドアを押さえ付けている。僕はドアレバーを握ったまま、鈴木とドアの間に挟まれていた。
「なぁ、どうして欲しい?」
そう耳元で囁かれて、思わず身震いする。
「どうもして欲しくない!」
大声でそう叫んだ時、ごり、とお尻の辺りに違和感を感じた。見なくても判る、鈴木が自分のそれを擦り付けているのだ。服越しでも判るその熱に、喉からひゅ、と空気が漏れる。
「ね、ねぇ鈴木……っ、ほんと、謝るから!」
「なにを?」
「……な、にをって」
「不法侵入の方? それとも、俺を脅した方?」
鈴木の手が僕のお腹に回る。後ろから抱き締められているような体制だ。鈴木は手探りで僕のベルトを掴んで、そこを緩めようとしていた。抵抗すべく両手でその腕を掴んでも、ドアに押し付けられれば僕の手の自由は簡単に奪われる。
「ど、っちも! どっちも謝るから!」
「口先で謝られてもなァ」
鈴木は僕のベルトを引き抜いて、それでドアに押し付けていた僕の手首を縛った。手の自由を奪われてしまうと最早どうすることも出来ない。なんの抵抗も出来ないままズボンを下着ごと下ろされれば、それを上げることも出来なかった。下肢を外気に晒され恥ずかしさに俯くと、僕の中心に触れた鈴木は、ふーんと声を漏らした。
「勃ってねぇの」
「この状況で勃つわけないだろ……っ」
「お前淫乱だからなぁ」
すぐに勃つよ、と囁いて、鈴木は僕から身体を離した。首を捻って鈴木を見れば、部屋を見回して何かを探しているらしい。圧迫感からは開放されたが、相変わらずズボンはそのままだ。手を動かしてみるが、その拘束は固い。仕方なく下肢を隠すようにドアに寄り掛かった。
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