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第2話 - 09*

 そのまま待っていると、鈴木は近くに転がっていたボトルを拾い上げた。小さなボトルで、中に透明な液体が詰まっいる。鈴木がその蓋を開ける光景に、最悪の想像が頭を過ぎった。 「な、にそれ」 「男同士でどこ使うかくらい、お前のが知ってるだろ」  予想通りの鈴木の言葉。それに抵抗するより先に、またドアへと押し付けられる。額を強かに打ち付けて一瞬怯んだ隙に、鈴木は僕のお尻にその液体を垂らしたようだ。ひやりとしたその温度に、喉から声が漏れる。鈴木の嘲笑が聞こえて、それ以上声を漏らさないよう唇を強く噛んだ。鈴木はその液体を馴染ませるように、後孔の周りに塗り付ける。 「す、ずき……や、やだ……やめろ、って……」 「やめるわけねぇだろ」 「ん、ひゃ!」  つぷ、と鈴木の指が僕のそこへと侵入した。潤滑液のおかげか痛くはないが、遅々とした動きでも生まれる違和感に自分の顔が歪むのが判る。鈴木は解すように、ゆっくりと入口を擦った。 「や、やめろよ……そんなとこ、んん……っ」  自分でも触ったことのない場所だ。いつか先輩に、と考えたことは何度もあるが、自分で触るのはなんとなく怖かった場所。そこに鈴木は躊躇いもなく指を沈めている。入口を撫でるように擦っていた鈴木は、へぇと小さく声を漏らした。 「意外とキツイな」 「あ、たりまえ、だろ!」 「あれだけ淫乱で処女かよ」  鈴木の揶揄するような声に、思わず視界が歪む。零れ落ちそうな涙に目を瞑ってしゃくりあげようとしたその時、鈴木が服越しに僕の乳首を摘んだ。入口をまさぐっていた指もさらに深くへと潜り込んできて、その感触に噛んでいた唇は簡単に開く。 「ん、ひぃっ!」 「お前ほんと色気ねぇ声出すよな」 「ちが、ひ、っ……! あっ、んん!」  乳首をかり、と引っ掻かれて、鈴木への文句は中断させられた。くりくりと転がされれば、じんわり広がるような快感に漏れる声が甘ったるくなる。その間にも鈴木は指を馴染ませるよう、ゆっくりとストロークしていた。

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