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第1話 - 06*

「んっ、んん……っ! やめ、ろって!」 「ふーん、ここ弱いの」 「んひゃっ、あ、ぁっ!」 「色気のねぇ声」  先端を指で強く擦られ、急な刺激に身体が跳ねる。それでも鈴木は手を止めず、寧ろ先端をだけを執拗に擦り始めた。  ぐりぐりと亀頭を指で撫でられれば、腰が引けるほどの快感に僕の口からは情けない声が漏れる。自分でも判るくらいに、尿口からはだらだらと先走りが零れていた。それを馴染ませた掌で、亀頭を包むように刺激される。そこは鈴木が手を動かす度に、湿った音を立てた。 「ひゃ、すず……ぅ、やめ、ろよぉ……!」 「そんな声で何言ってんだか」 「んんっ、そこ、っばっかぁ……あぁッ」  誰もいない屋上に、僕の声と水音が響く。  こんなことが許されるはずがない。鈴木に抗議しようと伏せていた顔を上げた瞬間、心臓が甘く疼いた。視界に映ったその黒髪が、その顔が、先輩を想起させたのだ。  先輩にえっちなことをされている、と考えた瞬間、腰の辺りから甘い快感がびりびりと全身を駆け抜けた。 「えっ? あっ、あ、んあぁっ! ふぁあっ、ん、あぁ!」  それは今まで感じたことのないほどの快感だった。  先輩。先輩先輩。崩れ落ちそうになる快感に堪えるべくぎゅうと鈴木の服を掴めば、鈴木はそれを合図に再び僕のを握り込んだ。先走りでぬめる手で擦られれば、そこはあっけなく追い詰められる。僕は自分で自分を支えていられず、思わず鈴木へと倒れ込んだ。 「んぁッ、ひゃ、んんん! はっ、はぁ、んあぁ!」 「斉藤、淫乱みてぇ」  その指摘に顔が熱くなる。その言葉も否定出来ないほどに、僕は乱れていた。  先輩じゃないのに、と何度言い聞かせても、揺れる黒髪に寧ろ身体は快感を求めている。この錯覚を抱いたままイかされたら。考えるだけで快感が身体を駆け抜け、勝手に腰が揺れてしまう。

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