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第1話 - 07*

「うわ、腰揺らしてやんの」 「あ、ああっ……ちがっ、あぁっ、んんッ、勝手、勝手にぃ!」 「淫乱」  揶揄するような響きに、背筋がぞくぞくと粟立つ。  先輩が僕を乱れさせているのに。先輩のせいでこんな、屋上で大声で喘ぐ淫乱にされているのに。それでも快楽に比例して鼓動する心臓は、先輩が好き、大好きだと、うるさいくらいに叫んでいた。  扱く速度はどんどん上がり、生まれる熱が脳髄を溶かしていく。つ、と口端から涎が零れた。時折掌で亀頭を撫でられれば、口から漏れ出す声は更に大きくなる。 「あぁ、んッ、それすきっ、すきいぃっ、んああ……っ、ああ!!」 「ひっでえ顔」  鈴木は空いている手を僕のズボンに掛けて、それをそのまま太股まで下ろした。急にそこが外気に触れて、思わず身震いする。しかしその事実を恥ずかしいと思うより、そこを支配する射精感の方が勝っていた。  先輩に屋上でズボンを下ろされて、扱かれている。僕の頭はもう、妄想と現実の区別がつかないほど使い物にならなくなっていた。 「や、あっ、んああぁ! ひぃ、っん、ああぁあッ、ぁ、あぁ!」  ズボンが下ろされたことによって、鈴木の手がより自由に動き出した。絡みつく指一本一本が僕のそこに強い快感を与え、そうでなくとも疼いていた射精感が一気に上り詰める。  それ以上触られたら、僕はもう。蕩けた脳髄は、僕の口を勝手に動かしていた。 「あ゛、っあぁ! い、いい、からぁ……ッ」 「なにが」 「いんら、んでもぉっ、ん、あ゛ぁあぁ! どへん、たいで、も、いいから……ぁっ、んあぁッ、イ、かせて……ぇ!」  僕は何を言っているのか。そんな自制の心も働かないほど、僕は追い詰められていた。鈴木の嘲笑が聞こえる。  それでも鈴木は僕のそこを強く扱きあげ、僕の絶頂を促した。僕の身体はそれを歓迎するかのように、ばくばくと脈打つ。背中がぶわりと汗ばんだ。

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