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第2章 榎本家攻略?4

結局次の日も学校を休んだ。微熱程度だったけど頭痛が治らなくて、いつもの500倍目つきが最悪だったらしい。 けどそれも眠っていれば治った。お陰様で金曜と土曜、丸2日ベッドに横になっていたから体が怠くてしょうがない。 さすがに今日は動くか、と思い部屋を掃除した。とは言っても元々綺麗にしている方だし、大して時間はかからなかった。さて、今から何しよう。 …あ。そういえば、柳楽に弁当作るって約束したんだった。明日学校だし、丁度良いな。スーパーに買い物行くか。 部屋着から適当に着替えて、家を出る。ついでに今日の夕食も作ることにしたら、母さんが「グータラできる!」ってかなり喜んでた。 姉ちゃんのリクエストで、今日のメニューはカルボナーラに決まり。合わせのサラダとスープに必要なものもカゴにパパッと入れていく。 …早く買い物を終わらせたいのには理由があるのだ。いつものことだし特に気にしてはいないが、如何せん周りの目が辛い。 そりゃこんな不良みたいな奴がスーパーでカート押して野菜選んでたら怖いわな。俺も同情する。子連れの母親なんて、「見ちゃだめよ」なんて言っている。別に取って食ったりしねぇのに。 怖がらせたいわけではないので、なるべくここに長居はしたくない。あーあ、全くなんでこんなに厳つい顔に生まれたかな。 ダイエットのために早い時間にご飯を食べる姉ちゃんに合わせて、夕方6時にみんなで食卓についた。 食い終わってすぐ、またキッチンで料理を始めた俺を紗里が不思議そうな目で見てくる。 「お兄ちゃんまだ食べるんかい。ゴリ〜」 「違ぇよ。これは明日の弁当」 「明日のは自分で作るんだ。どったの?」 「この前の礼に柳楽にも弁当作ろうと思って」 「ウッヒョォォオオア!弁当イベきた!弁当イベきましたぞ姉上!」 「トウヤの料理は母さん仕込みだから効果は抜群ね。心も胃袋もゲットしたら残すは身体のみよ」 「兄ちゃん半端ないって!こいつ半端ないって!兄上様を落とすつもり無いのに胃袋までも掴むんやもん!そんなんできひんやん、普通!!」 「何言ってんのか知らねぇけどなんで俺が兄ちゃんで、柳楽が兄上様なんだよ。格差おかしいだろ」 「それはやっぱり漂う高貴な雰囲気が違うと言いますか…」 「俺が下品だって言いたいんかコラ」 全く失礼な妹だ。そんなこと言ってるけどお前も同じ血流れてんだからな。

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