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第4章 酒に飲まれろ 2
「別に泣いてないし…撮るなぁ〜…」
「アッ顔上げてぇ!こっち向いてください!!カメラ目線で頼みますよぉ!何でも!何でもしますから!」
「うぇ〜い…ヒック…チッ、日本酒ももう無くなったぁ〜」
姉ちゃんが空いた瓶をプラプラ振って、立ち上がった。
ふらついた足取りで棚から焼酎を取り出し、自分のと俺の分を注いでくれる。
「姉ちゃん千鳥足〜…頭にネクタイ巻いてみろよ〜ヒック」
「私くらい美人だとねぇ、そんなことしてもネクタイがバンダナに見えて似合っちゃうのよ〜ヒック」
父さんの箪笥から青色のネクタイを一本出してきて、本当に頭に結び始めた。
「ははっ何ほんとにやってんだよ〜おっさんみたいで似合ってるけどさぁ」
「トウヤにも巻いてやる〜」
「うわっ、バカやめろって」
「ちょっとぉ!もうネクタイ回収!これ以上飲めば私が母上に怒られかねませんからやめてください!お願いします!何でもしますからぁ!」
悪ふざけをしているととうとう紗里に怒られた。
俺今日怒られてばっかだな〜…。
姉ちゃんにも色んな人に失礼だって言われるし…柳楽はなんで怒ってんのか分かんねぇし…。
「うぅ〜…柳楽と仲直りしたいぃ…ヒック」
「急やな、情緒不安定すぎワロタ。ていうかお前さんたちさっきからシャックリしすぎちゃう?もうやめといた方がええんちゃう?!」
「っるさいわねぇ〜!わかった、これが最後の一杯よ〜…でもその前にトウヤ!あんた一回トイレ行きなさい!」
「えぇ?急になんだよ〜…。でも言われてみたらトイレ行きたいかも〜」
酔っ払うとトイレが近くなると聞いたことがあったけど、どうやら本当らしい。
急に尿意を感じてフラフラする頭を抑えながら席を立った。
はぁ…。土曜までに仲直りできねぇかな。明日、柳楽学校に来んのかな…。
もし話せたらなんて言えばいいんだ?昨日はごめんとか…いや、でも俺そもそもそんなに悪いことしてなくない?
そうだった。
俺別に悪いことしてないじゃん!
そりゃ叩いたのはやり過ぎだったかもしんないけど、柳楽が満更でもなさそうだったから女子の誘い断らなかっただけじゃん?!
トイレから戻って飲んでいると、悲しい気持ちにプラス怒りが混じってきた。
「クソバカ柳楽のド軟派野郎〜!!」
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