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第4章 酒に飲まれろ 4

「ここが俺の部屋〜」 ちゃんと片付けてたかどうかとか、酔い過ぎて全く気の回らない俺は、なんの抵抗もなく柳楽を部屋に通した。 「…で、何であんなに俺の悪口言ってたわけ?」 「えっと〜…、とりあえずほら、座ろう?」 クイと服を引っ張る俺を完全に無視して、柳楽は距離を詰めてきた。 「クソでバカなド軟派野郎に教えてくれない?」 「い、いや…それはその…」 柳楽が女子にヘラヘラするから…って……… だからさ、何で俺が怒られなきゃいけないんだって! 酒とは怖いもので、酔っ払った俺は理不尽とも言える怒りを勢いのまま柳楽にぶつけていた。 「何でって?そんなの俺が聞きたいよ!何で俺が怒られるわけ?!今日の昼休みだって嫌ならハッキリ断ればよかっただろ!どうせ本当は自分だけ女子独占したかったんじゃねぇの?!」 「…何でそうなるんだよ。お前こそ珍しく女に誘われたからって嬉しかったんじゃねぇの?」 「は?!俺は別にそんなんどうでもいいし、お前と屋上で弁当食べるの楽しみにしてたのに!だけどお前が女子と一緒がいいのかと思ってOKしたら怒られて意味わかんねぇ!」 俺が女子に誘われて嬉しそうだったなんて、柳楽の目は節穴なのかもしれない。一瞬本気でそう思った。 「弁当の感想だって聞けなかったし、教室から連れ出された時も超怖いし!挙げ句の果てにあの内の誰かとヤった?!そんなこと知りたくねーっつうの!」 あの時は何でそれを聞いて悲しくなるのか分かんなかったけど…好きな相手のそんな話、楽しいわけないだろうが! 「あんな気まずくなった直後に遊びの誘いかけてきて…どうせまた女子にチヤホヤされて嬉しかったんだろ?!可愛い子が一緒なら別に俺がいてもどうでもいいのかよ!」 俺の存在なんて大して気に留めてないから、平気な顔で土曜の誘いなんかかけられたんだろ! 自分で言って悲しくなってきて、泣きたくなんかないのに涙が溢れてきた。 「俺と仲が悪くなろうが…うぅ…柳楽にとっては、どうでもいいことなんだろ…」 グスッ 柳楽が何も言わないから、鼻を啜る音がやけに大きく聞こえる。 抑えきれなくなってそのまま泣き続けていると、はぁ、と柳楽が溜息をついた。 呆れた…?気持ち悪いよな、俺みたいな奴からこんなこと言われて…だから溜息なんか、 「ごめん」 謝罪の言葉とともに、ゆっくりと抱き締められた。 「…え、」 細い見た目に反して力強い腕が身体に回ってきて、顔を肩にうずめられた。 柳楽の髪が首に擦れて少しくすぐったい。 なんで俺…柳楽に抱き締められてんの?

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