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追試と学生服
追試をするぞと、教室でのやり取りの事を言われて、本気だったのかと香椎を見れば、にやにやとした表情を浮かべていた。
「シャワーを浴びてきてもよいでしょうか」
「しょうがねぇな」
蒼真は風呂が好きだ。何も考えずに湯につかっていると落ち着くからだ。
だが、香椎が居る時はそうはいかない。
のんびりと風呂に入っていようものなら香椎が乱入してくる。そして、湯船で散々後ろを犯されてベッドへと連れて行かれる事になるからだ。
故に湯船につかりたいがシャワーのみで済ませて浴室からでる。
どうせすぐ脱ぐことになるだろうが、そのままいけば香椎にやる気満々だとからかわれる事になるだろうなと、収納棚に置かれてあるバスローブを身に着けようとカゴを引き出して中を見れば、
「なっ、なんで?」
上の棚は香椎のもの、下の棚には自分のものを置いておいたはずだ。
中のものを手にし、わなわなと肩を震わせる。
「香椎さんっ!」
裸のままドアを開けば、香椎に口笛を鳴らされて、あわてて手にしていた学生服を開いて隠した。
卒業してから先生として学校に戻った時には制服はブレザータイプのものになっていた。
まさかと香椎を見れば、
「懐かしいだろ。友里 がさ、実家の押入れから見つけたからって送ってくれた」
友里とは蒼真の二つ下の妹で、同じ高校に通っていたので香椎とも顔見知りだ。それに恋人同士だということも伝えてある。本当の兄妹のように仲が良く、悪巧みをする時なんて特にだ。
「え、じゃぁ、この学ランって俺の、ですか?」
友里よ、何してくれてんだと頭を抱えしゃがみ込む。
「いつ使おうかと思ってたんだが、丁度良かったな」
追試に、と、手を掴んで立たせられる。
「着て見せろ」
この歳でまさか学生服を着ることになろうとは。恥ずかしいと思いつつ、白いシャツを中に着て学生服を身に着けた。
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