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第19話
黄泉と青灑は街へ向かっていた
青灑「ね、君たちってさ、あそこに住んでるの?」
興味津々のように青灑が黄泉に問う
黄泉は頷く
青灑「そっかー。凄いねーシェアハウスってやつ?憧れるーいいよねーシェアハウス!」
青灑はシェアハウスという言葉を連呼した後に
ひたすら質問を続けた
黄泉は面倒くさそうに言葉を発することなくただ頷くか首をふるだけだった
青灑「そういえば、緑心くんだっけ?彼凄く純粋そうだよねー。あーいう子、好きだなー。それにその、兎黒くんって子も気になるなー。あ、あとー」
青灑が一方的に話をしていると街が見え黄泉は乱暴に街を指さし青灑の言葉に重ねるように喋る
黄泉「ほら、もうすぐつくよ...。あと、青灑。少し口が過ぎる。」
黄泉は珍しく少し不機嫌そうに青灑を睨む
そんなことはお構い無しに青灑は笑う
青灑「あはっ。やっと喋ってくれた。黄泉くんさ、身内のことになると熱くなるタイプ?それとも、俺が言った中で好きな子がいた?」
試すように黄泉に身振り手振り話す
黄泉は青灑を横目で見るとまた口を閉ざし街へ下る
ー緑心sideー
紫都李「緑心さーん!皆いないっすけどー。って、緑心さん?」
緑心は黄泉達が行った方向をじっと見つめていた
紫都李はそんな緑心の目の前で手を振る
紫都李「おーーい?りーしーんーさーん?」
やっと気づいたように緑心は我に返る
緑心「あ、紫都李くん。ごめん。どうかした?」
紫都李は心配そうな顔をする
紫都李「緑心さん、疲れてません?大丈夫ですか?」
緑心「うん、大丈夫だよ。ありがとう。」
緑心は笑ってみせる
紫都李「本当っすか?無理しないでくださいね?ところで。2人とも、どこっすか?」
緑心「あぁ、ふたりなら...」
緑心は紫都李に今までの経緯を話した
紫都李「なるほどー。で、緑心さんは黄泉さんの事が心配だと。」
緑心「え!?そんなこと言ってないよね!?」
緑心は少し慌てたように言う
紫都李「緑心さん。心配性なのは仕方ないですけど、あんまり心配しすぎると胃に穴あきますよ。そっちのが心配です。」
緑心「だ、だから違うってばー。」
少し拗ねたような顔をする緑心を紫都李は面白がる
紫都李「ははっ。緑心さんもたまに子供っぽいですよねー!」
緑心は恥ずかしさで顔が真っ赤になる
緑心「そんなことない...!」
必死に緑心は言い訳をする
紫都李「かっ...(かわいいー!...ん?可愛い?)」
そんな緑心を見て思いついた言葉に少し動揺する紫都李
緑心「か...?」
紫都李「いや、何でもないです!!」
慌てて誤魔化すも、緑心は既に怪しんでいる
緑心「え、怪しい...」
紫都李はそんな緑心を警戒し家の中へ逃げ出す
紫都李「ほんとに、なんでもないですって!」
緑心「あ、まてっ!」
バタバタと家の中を騒がしくする二人の足音で四季荘園は今日も賑やかだ
その頃兎黒は
兎黒「うわぁ〜。街、警察多すぎだわ〜。」
兎黒は路地で警察の多さに焦っていた
〜19話end〜
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