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第20話

兎黒「あっ!おーい!黄泉ク〜ン!」 街に着いた黄泉と青灑は向こうの方から手を振ってくる兎黒に気づく 黄泉「兎黒...。」 黄泉は横目で青灑を見ると口を開く 黄泉「もう街に着いたし良いでしょ。僕はもう行くから。」 青灑「うん、ありがとねー!」 少し明るめのトーンでお礼を言い手を振る青灑を無視しながら黄泉はこちらに向かってくる兎黒の方へ向かう 兎黒「ね、黄泉クンといた人誰ぇ?」 黄泉「...よく分からない人。」 兎黒「ふぅん。黄泉クンは何しに来たの?」 黄泉「買い物。...あと、兎黒の様子見。」 兎黒は少し嬉しそうに笑う 兎黒「へへっ。そっか。んじゃ、俺も着いてこ〜!」 黄泉「...その前に。」 黄泉は手持ちバックの中をゴソゴソと探る 兎黒「ん?んぉっ...!」 黄泉はカバンの中から出した少し深めの帽子を兎黒に被せる 黄泉「...やっぱり、眼鏡だけじゃダメ。」 兎黒「あ、おぉ...。」 少し納得のいかないような返事をする兎黒を背に黄泉は買い物をするためにスーパーへ向かった その頃青灑は2人の背中をじっと見つめていた 青灑「へぇ...兎黒くん、か...。いやー!面白いものが見れたなー!」 青灑は不敵な笑みを浮かべると路地の方へ向って歩き出す そして四季荘では緑心と紫都李はお互い疲れ果て、居間で寝転がっていた 紫都李「...緑心さ〜ん。」 緑心「んー?」 紫都李「あそこにあるの黄泉さんの財布じゃないですか?」 紫都李はテーブルの上を指さす 緑心「あー...あ!?ホントだ!忘れて出て行っちゃったんだ!」 緑心は体を起こすと黄泉の財布を持って玄関へ向かう 緑心「ちょっと、黄泉さん追いかけてくるね!」 紫都李「えー。緑心さん行くなら俺も行きますよ〜!」 緑心が頷くと2人は家を飛び出した 〜20話end〜

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