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第21話

緑心「はぁ...はぁ...」 紫都李「はぁ...うぅ...緑心さん!待って!足速いですよー!」 緑心と紫都李は街へ向って走っていた 緑心「ご、ごめん!でも早くしないと黄泉さん困ってるかもしれないから!」 ふと、紫都李が足を止める 紫都李「あ、緑心さん!こっち、近道ですよ!スーパーの裏に出られます!」 紫都李は細い獣道を指さす 緑心は頷くと足場の悪い獣道を走り出す 緑心「あ、もうすぐ出口だ!」 紫都李「そうですね!」 走っていると光が見えてきたところで緑心は勢い良く転けてしまう。 緑心「うわっ!」 紫都李「緑心さんっ!」 そのまま緑心は森の外へでる 〝ドサッ〟と鈍い音がし、紫都李は慌てて音のした方へ向かう。 そこには青灑が緑心の下敷きになっていた 青灑「いってぇ〜。誰...。ん?あら?君、黄泉くんといた。確か〜そう、緑心くんじゃない?」 緑心「っっ!あ、青灑さん!すみません!」 紫都李「緑心さん!大丈夫ですか?」 どうやら緑心は低めの崖から落ちたらしく、紫都李は心配そうに見下ろす 緑心「うん、大丈夫!ごめんね!」 青灑は緑心と紫都李の顔を交互に見る 青灑「緑心くんの彼氏?」 からかうような青灑の言葉に慌てて答える 緑心「い、いえ!違いますよ!」 崖から降りた紫都李は緑心と青灑のやり取りを見ていた 紫都李「あんたが青灑さん?」 青灑はその言葉に紫都李を見上げる 青灑「ん?うん、そうだよ。君は?」 紫都李「俺は紫都李。...ところで2人とも近すぎないですか?」 緑心「...あ。すみません青灑さんっ!」 紫都李の言葉に緑心は少し慌てて青灑から離れようとするが青灑は緑心の腰に腕を回し引き寄せる 青灑「んん?近いかな?...そんなことないと思うけど?」 青灑はその言葉と同時に紫都李を見て挑発的な笑みを浮かべる 緑心「あ、あぁ。えっと、し、青灑さん?」 挙動不審になる緑心を他所に紫都李は青灑を睨みつける 紫都李「...緑心さんに近づくな。離れろ。」 怒ったような低い声で青灑を威嚇する 青灑「んー。でもね、紫都李くん。緑心くんはどうやら足を怪我しているみたいだよ?」 紫都李「は?」 ふと、緑心の足元を見ると足首は赤く腫れ上がっていた 紫都李「緑心さん!大丈夫ですか!?」 さっきまでの怒りが少し引いたように緑心の心配をする紫都李 緑心「あ。うん。大丈夫だよ。でも足ちょっと動かせそうにないからさ。紫都李くん、黄泉君の所に財布届けてくれないかな?」 緑心は笑って見せる すると紫都李はスッと立ち上がり、緑心が持っている財布を手に取る 紫都李「あんた...緑心さんに変なことしたら俺が許さないからな。」 そう言い残すと紫都李は黄泉の元へ向かった 〜21話end〜

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