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第24話
【昨夜】
紫都李「緑心さん。なんであんな奴入れたんですか?」
兎黒と青灑が寝た頃黄泉と緑心と紫都李はリビングでそれぞれの事をしていた
緑心「ん?なんでって...仲間が増えるのは嬉しいことでしょ?」
パソコンをしながら笑顔で緑心は答える
紫都李「そりゃぁ、あんな奴じゃ無かったら受け入れてましたよ。でも。」
すると話を聞いていた黄泉が紫都李の隣へ付く
黄泉「緑心、僕も反対だったよ。ただ、緑心が決めたなら我慢する。でもやっぱり心のどこかで青灑は苦手だという意思があるんだ。」
紫都李は隣で頷く
紫都李「俺もです」
緑心は珈琲を一杯口にすると浅い溜息をつく
緑心「二人は、目の前に自分がどこへ行けば良いか分からない人がいて、自分は愛されてないからって言ったら...どうします?」
黄泉と紫都李は顔を合わせる
紫都李「それは...」
緑心「僕だったら手を差し伸べるよ。こういうのをお人好しって言うんだろうけど...それがたまたま青灑さんだったんだ。」
黄泉「でも緑心...。」
黄泉がそう言いかけると言葉を遮るように紫都李が話し出す
紫都李「緑心さん、あの人は何を考えているか分からないんですよ?緑心さんだってあの時、何もされていないなんて嘘ですよね?」
その言葉に緑心はその日見た青灑の冷徹な目を思い出す
緑心「...それでも、僕が大丈夫だと思ったから...」
紫都李「やっぱり、何かされていたんですね...。」
紫都李は拳を握りしめ少し震えていた
黄泉「緑心、何されたの...?」
黄泉はいつもよりずっと真剣な表情でその言葉の中に少し怒りらしきものが混ざっていた
緑心「...。」
緑心は俯き何も答えなかった
それに我慢できなくなったのか紫都李は2階へ向って走り出す
緑心「!...紫都李くんっ!!」
緑心は予期せぬ事態を考え紫都李の腕を引く
紫都李「アイツを...青灑を、ぶっ殺す...!」
緑心「やめて!」
黄泉「紫都李っ!早まらないで。」
黄泉と緑心は叫ぶが紫都李の怒りは収まらない
紫都李「なんで、止めるんですか...!アイツはアンタを傷つけたんだぞ!なんでそんな平然と受け入れられるんだ!」
紫都李は緑心に向って怒鳴る
緑心「四季荘園での暴力はココの管理人である以上、僕が許さない!ましてや死人が出るのなんて、絶対にあってはならない!」
その言葉に紫都李の力が緩む
紫都李「...あんたはいつもそうだ。人が良すぎる故に俺らが心配してやってんのに管理人の立場を利用して大丈夫だとか心配するなとか...そんなんだからろくな奴が入ってこねーんだ。...もういい。寝る。」
紫都李は静かに階段を登って行った
そして緑心は紫都李が去った後もずっと怖い顔をしている
緑心「...。黄泉さん...。」
黄泉「大丈夫、確かに青灑の事は好きじゃ無いけど、でも。緑心がそんな顔してるの嫌だから。」
緑心は少し震えていたが黄泉の言葉に安心したようにも見えた
〜24話end〜
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