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第33話

夜の7時30分頃、突然四季荘園の扉が乱暴に叩かれる ードンドンッー 緑心「誰だろ...。」 黄泉「緑心、気をつけて。」 緑心は頷くと恐る恐る扉を開く 兎黒「だぁぁぁ!痛いぃぃ!緑心クン助けて!ちょっ、そろそろ死んじゃうからぁ!」 そこには腕から血を流す兎黒とその腕に噛み付く男がいた 緑心「え、と、兎黒さん!?大丈夫ですか!」 紫都李「緑心さーん。どうしたんですか?...うわっ。」 兎黒「あ!紫都李クン〜!この子払って!はやく!腕もげちゃうぅ〜...!」 紫都李はゆっくり近づき男の腹元を蹴飛ばす 男「ウガァッ」 男は苦しさで兎黒の腕から口を離す 兎黒「うわぁ〜助かったよぉ紫都李クンありがとねー!」 紫都李「はいはい。分かりましたから、はやく手当てしてきてくださいよ。」 紫都李は兎黒を突き放す 黄泉「兎黒、こっち。」 黄泉が救急箱を持ってくる 緑心「あの人は?」 兎黒「んー、野生児?罠にかかってたからさー。」 緑心「兎黒さんって、犬とか拾ってきゃうタイプですか?」 兎黒「んぇ!?なんで?」 緑心「いや、何となくですけど...。」 緑心は男に少し近づくと男は威嚇するように唸り声を上げる 緑心「ほんとに野生ですね。長身だし、仲間にいたら役に立ちそうな気がする...。」 紫都李「り、緑心さん?何考えてるんですか!?」 嫌な予感を察知した紫都李は緑心を止める 緑心「君さ、仲間にならない?」 緑心は紫都李の言葉を横に男に声をかける 男は緑心の言葉を聞くと大人しくなり自分の指を噛みだす その行為に緑心は思わず手を掴む 緑心「ダメだよ。血出てる。」 男「うぅっ...。」 男は威嚇する 紫都李「緑心さん!危ないですよ!」 緑心「お前、名前あげたらさ仲間になってくれる?」 緑心は自分より遥かに大きな男の目をじっと見つめる 男は言葉を理解したように緑心に近づく 緑心「よし、じゃぁ君は今日から空(そら)って名前ね。」 兎黒「んぇ、その子うちに入れんの!?」 兎黒は少し不服そうに緑心を見る 緑心「大丈夫です、僕が責任を取ります。」 空「あう゛っ。」 黄泉「でも、部屋足りないよね。」 緑心「僕の部屋半分スペース空いてるんでそこを一緒に使います。」 紫都李「え。そんな、寝てる間とか...襲われたらどうするんですか!ダメですよ!」 緑心「...。うーん。あ。ちょっと待ってください。」 緑心は物置から犬用の首輪と鎖を出してくる 緑心「これで寝ている間は空を繋いでおきます。」 3人は緑心の発言にポカンとしている すると兎黒は黄泉に耳打ちをする 兎黒「緑心クンさ、たまにとんでもないこと言い出すよね。」 その言葉に黄泉は頷く そしてこの日の夜、空が仲間に加わった。 一方青灑はラスベガスのいつも行くバーでカクテルを飲んでいた。 青灑「マスター、今回は面白いお土産話があってさ〜。」 〜33話end〜

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