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第35話

空が四季荘園に入って約1ヵ月が経とうとしている頃 空「りぃ〜しぃ〜!」 緑心「ん?どうしたの空?」 空「うっ!」 空は紫都李の部屋の前で座り込み部屋の方を指さす 緑心「あー...そろそろ片付けしてあげないとね。」 空「くさ!くさ!」 緑心「そだね。臭いね...。」 空は言葉を覚えるようになってから緑心にいろいろな報告をするようになった その日の昼、緑心は紫都李の部屋の掃除に勤しんでいた。 そして次の日。いつものように緑心に空が報告をしに来る 空「...きの、とぐ。」 緑心「ん?兎黒さんがどうしたの?」 黄泉「緑心。」 緑心「あ、黄泉さん。おはようございます。」 黄泉は挨拶に応えるように頷く 黄泉「多分空...は、昨日兎黒が夜中に出かけたって言いたいんだと思う。」 緑心「そうなの?空。」 空「うっ。」 空は激しく縦に頭を振る 緑心「それは...気になりますね。」 黄泉「僕も最近思ってた。でも、兎黒、裏と繋がってるから...。」 緑心「それも有り得ますよね...。」 緑心は何かを考えるように顎に手を添える 黄泉「緑心。危険なことはダメ。」 何かを察知した黄泉は緑心に注意を促す 緑心「はい。大丈夫です。」 黄泉「ん。」 緑心「あれ?そういえば空は...?」 黄泉「さぁ?」 気づけばさっきまで横にいた空が消えていた 兎黒「うわぁぁ!ちょ、待ってぇ〜!」 声のするほうを向くと空が兎黒のメガネを咥えて走っている 緑心「あ、こらっ!空ぁ!」 緑心が怒ると空は緑心の目の前でメガネを落とす 兎黒「あ〜。緑心クンありがとぉ」 緑心「いいえ!気をつけてくださいね。」 兎黒「はぁ〜い。」 ふと、空を見上げると夕日が沈みかけている事に気づく 緑心「あ、夕飯作らないと。」 空「りし。」 緑心「うん。ご飯だよ。」 紫都李「緑心さーん!アイツ、帰ってきましたよー」 緑心「あいつって、青灑さん?」 青灑「ただいまー。お土産買ってきたよー」 紫都李の後ろには青灑が立っていた 緑心「あ、おかえりなさい。」 青灑「お、新しい子?」 緑心「はい。空です。えっと...詳しい話はご飯の時にします。」 青灑「はいはーい。」 緑心は急いで夕飯の準備に取り掛かる。 夕飯が並ぶとみんなが席につき食べ始める 黄泉「...緑心。」 緑心「はい?」 黄泉「これ、無理。」 黄泉はタイ料理であるパッタイに入っているパクチーを指す 緑心「あ、パクチー苦手でした?」 黄泉は頷く 緑心「じゃぁ、僕が食べますよ。」 兎黒「んぁ?緑心クンってもしかしてパクチー好き?」 緑心「はい!」 緑心は満面の笑みで元気に応える そうこうしていると夕飯が済み、緑心は空を風呂に入れるため抵抗する空を引きずる 空「や!や!」 緑心「やじゃありません!」 兎黒「んははっ!いつもこんな感じだよ〜。」 青灑「そうなんだ。ココもまた、楽しくなったね。」 兎黒「そだね〜。」 黄泉「紫都李...。大丈夫?」 紫都李「ムカつきます。」 青灑「紫都李くんはホントに緑心くんが好きだね?」 紫都李「アンタには関係ないだろ。」 緑心「ちょ、空ぁ...ははっ。ちょっと、くすぐったい!」 空「あぁう!!」 風呂から聞こえる緑心と空の声にイライラが募る紫都李。 紫都李「チッ...。」 紫都李は我慢ができず自室へ行ってしまう 青灑「相変わらず荒れてるね。」 兎黒「ん〜どうもね〜。あ、そろそろだね。」 兎黒は黄泉とアイコンタクトを取ると風呂場に繋がる扉の前でタオルとドライヤーを構える すると突然勢いよく扉が開くと兎黒がタオルで空を捕まえ黄泉がドライヤーで乾かす 緑心「すみません!2人とも!」 すると緑心が着替えをさせる 青灑「うわぁお。すごい連携。」 それを見ていた青灑は拍手をする 緑心「...毎日コレですよ。」 緑心がため息をつくと青灑は愉快に笑う 夜、皆が寝静まると緑心の向かいの部屋の扉が開く 空はそれに気づき鎖を破壊し、緑心を起こす 空「りし、とぐ。起きた。」 緑心「んっ...兎黒さんが...?」 緑心はそっと自室の扉を開くと兎黒が階段を降りていくのが見える 緑心「追うよ。空。」 空「うっ!」 緑心は空の鎖を持つと兎黒の後を追い、夜の街へ降りる 〜35話end〜

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