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第10話
緑心は海辺に倒れていた人に駆け寄る。
だがそれは紫都李でも兎黒でもなく、細身で髪が長めの漂流したと見られる男の人だった
緑心はホッとしたと同時にこの人は生きているのかという不安に駆られた
緑心「あの!大丈夫ですか!」
男の体を揺すりながら緑心は声をかける
?「んっ...うっ...」
男は辛うじて生きていた
緑心「!...あのっ!分かりますか?痛む場所はありませんか?」
男は目を開く
?「...ここは?」
緑心「ここは...僕の家の近くの浜辺です何があったんですか?」
男は緑心の顔を見ると首を横に振る
?「...分からない。何も覚えてない。」
緑心「そうですか...あ、じゃぁ名前は?名前は覚えてますか?」
男は暫く考え思い出したように言う
?「黄泉(よみ)...。」
緑心「黄泉さんですね!僕は緑心です。あの、どこから来たとか...覚えてますか?」
黄泉「...覚えてない。名前しか、思い出せない。」
緑心「そう、ですか...。」
少し困っている緑心を見て黄泉は不思議そうな顔をする
黄泉「...どうして緑心は僕のためにそこまで考えてくれるの?」
緑心「うーん...目の前に困っている人がいたらその人を助けるのが人として当たり前...だからですかね。」
黄泉「...そっか。それなら僕もそうしよう。」
緑心「と、いうと?」
黄泉「緑心が困ってるから僕も僕はどうするべきか考える」
緑心はその言葉に少し表情を緩める
緑心「はい、ありがとうございます。...にしても、どうしますかね。」
黄泉と緑心は浜辺に座り込み時間が経つのを忘れ考え続けた
~10話end~
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