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「楠本、力抜けよ。これ以上、痛い思いはしたくないだろ?」 これ以上好きにされて貯まるか、と思い切り体を強ばらせて唇を噛み締める。 両腕をバンザイをするように上げられたまま、それぞれを1人ずつに床に押さえつけられ両足はM字に開くようにこれもまた床に押さえつけられてしまっている。 体はもうピクリとも動かず唯一動く首ももう自由に動かす元気は残っていない。 さっきから指を後ろへ突っ込まれたまましつこいくらいに掻き回され、せめて逆らうつもりで力を入れているがこれももう長続きしそうにない。 「怖がってんじゃねーの?」 「怖がってなんぼだろ。で、…痛くてなんぼ。」 「お前ホンット酷いよなそういう所。」 「ぅ"っ…、ァ"、ぁああ、!?」 さっきまで一本の指がネチネチと動いていた所へ急に比べ物にならない太さと長さのものが突き入れられる。 思わず痛みに身体を飛び上がらせるがそれすらも許されず床へ押さえつけられてしまう。 痛い、裂ける。 そう訴えたいのに喉からは掠れた叫び声しか出てくれない。 「もっと可愛い顔しろよ、なぁ。」 「…ぃ"、……っだ、ぃ……、!」 「え?なんて?聞こえねぇよ。」 「顔シワシワになって可哀想。もっと気持ちよくしてやれよ。」 「充分気持ちいーよな、なぁ?」 気持ち悪い、汚い。 突き上げられる度に吐き気がこみ上げてくる。 痛くて痛くて仕方ないのに抉られるみたいなその行為は止まらない。 「痛、い…っ…いだ"、ぃ…っ、い、…た、…」 「痛い痛いってうるせぇな…誰か口塞いどけよ。」 「布でも噛ます?」 「いや、…あーー水は?」 「水?」 「そ、口に突っ込めばいーじゃん。」 朦朧とする意識の中で確かにやばい、と気付いた。 口を塞ぐどころか気道が塞がれる。 思わず逃げ出そうと本能で身体をバタつかせると腹の上でゲラゲラと笑い声が響いた。 「今更抵抗すんなよ、うぜぇな。」 「…ひ、っ……、ぅ"、…」 「ちょっとお口チャックな。」 腹にドスン、と深い痛みを感じた直後、息が止まった。 口いっぱいに溢れる水と行き場のない空気がぶつかる。 むせて、吐き出して、やめてくれと叫んでも口に流し込まれる水は止まらなかった。 水に溺れて意識が消えかけて遠くでチャイムがなった頃。 今まで代わる代わる俺を揺さぶっていたうちの1人が手を挙げて明るい声で言った。 「楠本君が授業中、寂しくないようにプレゼントしてあげようと思うんだけどー」 「やっさしー!」 「これ、今日抜かないでね。」 そう言い残してようやく後ろから引き抜かれたかと思うと、次の瞬間には冷たい無機物がそこへ押し込まれた。 それが何なのかも確認出来ないままグチャグチャになった濡れた身体にボタンのないパジャマを着せられ、そのままクラスメイト達は何事も無かったかのように席に戻っていった。 俺はただ、床へ体を預け冷たいはずなのに熱の冷めない体を投げ出したまま天井を見つめていた。

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