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薄暗い中、人に囲まれる。 もうそんな光景も慣れっこだ。 抵抗したところでなんにもならないのは知ってる。 いつも兄が言った。 痛い思いをしたくなければ、大人しくしていろと。 それはきっといつも共通していて。 「コイツ、抵抗しねぇな。」 「慣れてんじゃない?」 無駄に殴られることも、無駄に蹴られることも無く。 ただ生ぬるい液体と切り裂ける痛みに目を閉じればいつかは終わる。 「口開けろ。」 声に目線をあげるのと同時に口に熱い何かが押し込まれる。 苦しい、のに知っている苦しさ。 苦味と青臭さに目を閉じる。 これだけは何度されても慣れない。 早く終われ、早く終われと遠くで考えていた。 今だけ我慢して、終わってしまえばもう終わり。 そう思っていた時、ただただ揺さぶられていた中に突き破るように奥まで何かが届く。 知らない感覚に目を見開く。 苦しさに奥の歯が震えて口の中に押し込まれたソレを噛んでしまう。 「っい"、てぇ……!何すんだよ、このクソがっ、… 」 その言葉と同時に勢いよく口から引き抜かれる。 流れ込む酸素と苦しさに咳き込むが、そんなの待たずに顎の下から思い切り殴られてしまう。 痛みに顔を歪める。 …あぁ、またドジを踏んだ。 「地獄を見せてやる。」 そんな声が腹の下から聞こえて、口の奥に何かを詰め込まれる。 その何かは奥歯の間に挟まれると顎を強く抑えられた。 挟まっているせいで口と喉を開けたま閉じられない。 嫌な予感がした。 「っ"、ぅ"ぐ、っ……!!?」 喉を突き破られる。 そう、一瞬思った。 相手のソレが喉よ奥の奥まで突き上げる。 息ができないなんてレベルじゃない。 何をされてる? そんな事すら考えられなかった。 苦しさと圧迫感に吐き気がこみ上げる。 「ぅ、…っ、ひ、っぅ"、ぐっぅ…!」 「…きったねぇな。」 胃液と何かが混ざった液体を吐き出しながら、それでも喉の奥を犯される。 助けて、誰か。 死ぬ。 このままじゃ殺される。 助け… 「おい、誰か腕縛れ。」 自由が一つずつ失われていく。 死ぬ。 助けて、誰か 誰かって 誰? 意識が遠のく。 遠のいた傍から、痛みと苦しさに目が覚める。 意識を飛ばす事すら許されない地獄が繰り返される。 喉がカラカラに乾いて 頭がグワングワンと揺れた。 思考がまわらない たすけてほしいのに 誰が助けてくれるのかわからない 真っ先に皆木の顔が浮かぶ。 でも、もう俺はあの人の話すことすら許されないから。 きっと 甘えすぎた罰なんだろう。 だってあの人 話してしまったら、施設に入れられる。 …施設ってどこ? 「目ーイッちゃってんじゃん。」 「殺すなよー」 くるしいのに 逃れる方法がわからず 目が回る 回って 回って どこを見たらいいのかわからない これ以上苦しいのはちょっと嫌だから 俺は 息を止めた

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