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どこへ連れていかれるのかわからずだんだんと不安になっていく。 不安と周りからの視線から逃げるように皆木の白衣へ顔をねじ込む。 この顔をこいつに見られないだけまだマシだ。 意識を逸らそうと振動を数えていると、ようやく足が止まった。 ガンガンと扉を蹴る音の後、雑に扉が開く音がしそっと白衣から顔を出す。 …ベッドが見える。 どうやらここは保健室らしい。 そのまま一直線にベッドへ向かうとその上へそっと下ろされる。 「気分はどうだ。」 「……最悪だ。」 「だろうな。」 楽しそうに喉で笑うと白衣が離れていく。 入口まで戻り開けっ放しだった扉が閉じるとガチャリと鍵の閉まる音が聞こえた。 鍵の、閉まる音が聞こえた…? 「おい、…お前…っ鍵、…!」 「なんだ?そんなに集団レイプされたかったか?」 「…そう、じゃ…なく、て…」 「あぁ面倒くさい、それ以上無駄口叩くな。」 言い返そうと口を開くとまたドクンと心臓が鳴る。 熱くて苦しくて胸を抑えると皆木が怒ったように言った。 俺はヒュッと短い息を吸いこむと黙ってその顔を見上げた。 犯される?抵抗もできないまま? 「発情期だな。この歳だ、初めてじゃないだろ?」 「……ん、…」 「薬は持ち歩いてないのか。」 俺はその言葉に返事を出来なかった。 一般的に発情期が来るのを見越して薬を持ち歩くのが常識だ。 なぜなら発情期が来れば日常生活すらままならなくなるから。 そう、今の俺のように。 普通ならああやって察した時に薬を飲むべきた。 「…あぁ発情期真っ最中の奴に問いただしても返事も出来ないか。とりあえずココにあるのを出す。今まで薬で何かアレルギーが出たものはあるか?」 「ない、…」 「そりゃよかった。」 そう言うと皆木は一度俺の髪をぽん、と撫でると薬を取りに行ったのか向こうへ行ってしまう。 思考がままならない。 ただなんとなく白衣を目で追いながら考えていた。 薬を持ち歩いてないのか、という問いかけへの返事をどう誤魔化そうかと。

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