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仮面家族

こんな辛いことが、半年以上続いた。 「もうこんなの嫌だ…」 耐えられなくなった僕は、父と母にこの事を話すことにした。 リビングにあるテーブルに父と母が座っている。同じ空間にいるのに、冷え切っている。 「父さん、母さん。ちょっといい?」 父の隣の椅子に腰をかけながら言った。二人は僕のことを見て、父は見ていたテレビを消し、母はスマホを置いた。 「僕…、学校でイジメられてるんだ」  僕の言葉をを聞いた母は言った。 「学校行きたく無いからって、そんな事言っても無駄よ。高い学費を払ってるのよ。そんなことで時間を割かさなさいでちょうだい。ちゃんと明日からも行きなさい」  母は怒りながら、部屋を出て行ってしまった。父は、眉間にしわを寄せ僕を見て、何も言わず部屋を去った。  家にも学校にも、僕の居場所は無かった。  母は学問に熱心な人で、保育園時期から僕を高レベルな塾に通わせていた。頭はそれなりに良かったけど、毎日塾に通っていたから、友達以前に、クラスで話す相手すらいなかった。なんらかの部活には入りたかったけど、母が許さなかった。 「そんな無駄な事する時間があるなら、勉強しなさい」  これが母の口癖。  それに打って変わって父は、母の尻に敷かれっぱなし。  朝になると毎回思う。 「学校…、行きたくないな…」 そう思うが、行かないといけない。

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