5 / 8

解放

登校して、靴箱を開けると、数十枚の紙が入っていた。そこには、赤い字で『さっさと死ね』『うぜぇんだよ』等の文章が書いてあった。  日に日に、身体中にアザが増えている。心も体もボロボロ。そんなイジメは、二年間にわたって続いた。  僕が中学三年生になり、卒業式を目前にした頃、父の転勤が決まり、進学と同時に引越しをする事になった。  皆からは、「海崎、逃げるんだとよ」と影や目の前で言われた。  無事に引越しは終わり、あの生活から解放されて凄く嬉しい。  しかしその反面、新たな心配が生まれた。転校先で、またイジメられないか。

ともだちにシェアしよう!