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新たな生活
––– 転校初日 –––
「海崎陸です。宜しくお願いします」
緊張しながらも、自己紹介を済ました。先生に指定された場所に歩いていき、僕は席に座った。
「ヨロシクなっ」
話しかけて来てくれたのは、僕の後ろに座る、右耳の銀色で小さいピアスが光る人だった。
「よ、宜しくお願いします」
「同級生なんだからよ、敬語なしっ」
と、笑いながら言った。
彼の名前は、久城 志麻。彼は、人との接し合いをしてこなくて、会話もしどろもどろになる僕なんかと仲良くしてくれた。彼をキッカケに様々な人と友達になる事ができた。一緒に初めてのカラオケに行くことができた。母にバレるとマズイので、三十分と短かったが、とても楽しかった。
学校生活でも自慢ではないが、僕は塾で高校生の授業は三年生までもう終わっているので、授業中は余裕があり、授業を受けてるふりをし、気がぼーっとしている時がよくあるが、後ろの席からはイビキがよく聞こえてきて一人でクスクスしていたり、後ろから背中をつつかれ「どゆこと?」と授業の解説をすることもあり、毎日退屈はしなかった。
今までに経験できなかったことをたくさんすることができた。
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