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本当の初めて
そして、ある日の事。それは、夏休み前のサンサンと太陽が照りつけ、日差しで目も開けられないほどの土曜日のこと。二度目に志麻の家に招かれた時。
「なぁ」
先ほどまでいじっていたスマホをテーブルに置いた。
「ん、何?」
「もし、俺がお前のことを好きだって言ったら、どう思う?気は使うなよ」
志麻は僕と目を合わさず、顔が少し赤く見えた。
「オッケーするかな。僕も志麻のこと好きだし。…うわっ」
僕は敷かれたカーペットに押し倒された。
「俺がこういう意味で好きだったとしても、好きなのか?」
僕は戸惑うより、恐怖を思い出した。あの時屋上で彼にされた事を一瞬にして思い出した。
反射的に志麻を突き飛ばした。
僕のそんな表情を見た志麻は、僕から下りて部屋を出ようとしていた。
「待って」
志麻の腕を掴み、引き止めた。
「正直びっくりした。そういう意味だとは思ってなかったから。でも、志麻を好きな気持ちは変わらないから、だから…」
『隠そう』そう思った。あんな事を言えば、志麻は僕の事を軽蔑し、友達じゃなくなってしまうかもしれないから。
すると志麻は、僕の前に座り。
「じゃあ、これからそういう意味で好きになってよ」
僕は身体が火照りながら、うなずいた。
志麻は、僕にキスをした。そして、驚きのあまり半開きになっていた僕の口に、志麻の温かい舌がゆっくりかつしなやかに入ってきた。これが僕のファーストキス。
「親は明日の夜まで仕事で帰って来ねぇから、思う存分喘いで大丈夫だかんな」
さらに、身体が火照りを増した。
志麻は僕のシャツを上にやり、淡い桃色の突起物をつまんだ。
「んっ」
志麻とこのような事をするのは嬉しいが、彼の事を思い出してしまう自分が嫌だ。
僕の反応を見て、志麻は微笑み、
「可愛い」
耳元でささやかれ、一瞬にして全身がさらに熱くなった。
身体中をゆっくりと優しく舐められ、志麻の手つきや舌の動きは思っている以上に上手かった。
次第に手は、僕の下半身へ。あの時とは違って、志麻は優しかった。
「力抜いて」
僕のを何度も上下に動かす志麻の顔は、何だか嬉しそうだった。
「待って、志麻…ダメっ。ふっんんっ」
志麻の手には白い液体がまとわりついていた。
「ご、ごめん、手に…」
「謝ることねぇって。でも、こんなに出たんだよ。そんなに俺の気持ち良かった?」
志麻の手に付いたものを、僕に見せつけ、糸を引くところを実際に見ると、恥ずかしくなった。
そっとうなずくと。
「ちゃんと陸の声で、教えて」
僕は恥ずかしさをこらえながら。
「気持ち…良かった」
すると、微笑み。
「よく出来ました」
また僕は気持ちよくなった。そして、さっきより激しく。
ゆっくりとベルトを外され下着も脱がされ、志麻の指はゆっくりと穴の中へ。
「んっ」
「待ってな、今イイトコ探してるから」
志麻の首筋からは、数的の汗が滴り落ちている。
そして、僕の身体の中の何かが反応した。
「あぁぁぁぁぁっ」
「みっけ」
ニヤリと笑った。
さらに何本かの指が、入ってきて、僕の中で志麻の指が踊っているようだった。
「そろそろイイかな。大丈夫か陸?」
僕が小さくうなづくと。僕の穴には、ゆっくりゆっくりと硬くて太いものが入ってくる。志麻が、十分にほぐしてくれたお陰で、あまり痛く無かった。あの時とは全く違う。血は一滴たりとも滴りでなかった。
「んっ、あぁっ」
志麻のモノが全て僕の体内へと入る。
「あぁぁぁ」
「大丈夫か?」
僕の体を気遣い、志麻は僕の顔を見つめたまま、動かなかった。
慣れてきた頃。
「…もう、大丈夫」
志麻は微笑み。そして、ゆっくりと腰を動かした。
「あんっ、んっ、あっ」
「んっ、あぁ」
志麻の部屋には二人の声が広がった。
自分の体内に、自分の物ではないものが入っているという不思議な感じと、奥に何度も何度も突かれその回数分頭が真っ白になっていく。
僕の中が、急に熱くなった。
「あっ、あぁぁ」
「ごめん、中に出すつもりは…」
「良いよ。…それよりもっと来て」
僕は腕を志麻の首に回し、不慣れながらもキスをした。舌を入れるなどという高度なことは出来ず、唇と唇を重ね合わすことしか出来なかった。離れた時の志麻の顔は真っ赤になっていた。そして、腰の動きが一変し、比べものにならないくらい激しくなっていった。
「は、やい、んっあっあぁ」
息が荒れながら志麻は、
「ごめん、止めんのむり」
何度も何度も、体内に熱いものが流れ、僕の意識はもうろうとなっていった。
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