7 / 8

本当の初めて

そして、ある日の事。それは、夏休み前のサンサンと太陽が照りつけ、日差しで目も開けられないほどの土曜日のこと。二度目に志麻の家に招かれた時。 「なぁ」  先ほどまでいじっていたスマホをテーブルに置いた。 「ん、何?」 「もし、俺がお前のことを好きだって言ったら、どう思う?気は使うなよ」  志麻は僕と目を合わさず、顔が少し赤く見えた。 「オッケーするかな。僕も志麻のこと好きだし。…うわっ」  僕は敷かれたカーペットに押し倒された。 「俺がこういう意味で好きだったとしても、好きなのか?」  僕は戸惑うより、恐怖を思い出した。あの時屋上で彼にされた事を一瞬にして思い出した。  反射的に志麻を突き飛ばした。  僕のそんな表情を見た志麻は、僕から下りて部屋を出ようとしていた。 「待って」  志麻の腕を掴み、引き止めた。 「正直びっくりした。そういう意味だとは思ってなかったから。でも、志麻を好きな気持ちは変わらないから、だから…」  『隠そう』そう思った。あんな事を言えば、志麻は僕の事を軽蔑し、友達じゃなくなってしまうかもしれないから。  すると志麻は、僕の前に座り。 「じゃあ、これからそういう意味で好きになってよ」  僕は身体が火照りながら、うなずいた。  志麻は、僕にキスをした。そして、驚きのあまり半開きになっていた僕の口に、志麻の温かい舌がゆっくりかつしなやかに入ってきた。これが僕のファーストキス。 「親は明日の夜まで仕事で帰って来ねぇから、思う存分喘いで大丈夫だかんな」  さらに、身体が火照りを増した。  志麻は僕のシャツを上にやり、淡い桃色の突起物をつまんだ。 「んっ」  志麻とこのような事をするのは嬉しいが、彼の事を思い出してしまう自分が嫌だ。  僕の反応を見て、志麻は微笑み、 「可愛い」  耳元でささやかれ、一瞬にして全身がさらに熱くなった。  身体中をゆっくりと優しく舐められ、志麻の手つきや舌の動きは思っている以上に上手かった。  次第に手は、僕の下半身へ。あの時とは違って、志麻は優しかった。 「力抜いて」  僕のを何度も上下に動かす志麻の顔は、何だか嬉しそうだった。 「待って、志麻…ダメっ。ふっんんっ」 志麻の手には白い液体がまとわりついていた。 「ご、ごめん、手に…」 「謝ることねぇって。でも、こんなに出たんだよ。そんなに俺の気持ち良かった?」  志麻の手に付いたものを、僕に見せつけ、糸を引くところを実際に見ると、恥ずかしくなった。  そっとうなずくと。 「ちゃんと陸の声で、教えて」  僕は恥ずかしさをこらえながら。 「気持ち…良かった」  すると、微笑み。 「よく出来ました」  また僕は気持ちよくなった。そして、さっきより激しく。  ゆっくりとベルトを外され下着も脱がされ、志麻の指はゆっくりと穴の中へ。 「んっ」 「待ってな、今イイトコ探してるから」  志麻の首筋からは、数的の汗が滴り落ちている。  そして、僕の身体の中の何かが反応した。 「あぁぁぁぁぁっ」 「みっけ」  ニヤリと笑った。 さらに何本かの指が、入ってきて、僕の中で志麻の指が踊っているようだった。 「そろそろイイかな。大丈夫か陸?」  僕が小さくうなづくと。僕の穴には、ゆっくりゆっくりと硬くて太いものが入ってくる。志麻が、十分にほぐしてくれたお陰で、あまり痛く無かった。あの時とは全く違う。血は一滴たりとも滴りでなかった。 「んっ、あぁっ」  志麻のモノが全て僕の体内へと入る。 「あぁぁぁ」 「大丈夫か?」  僕の体を気遣い、志麻は僕の顔を見つめたまま、動かなかった。  慣れてきた頃。 「…もう、大丈夫」  志麻は微笑み。そして、ゆっくりと腰を動かした。 「あんっ、んっ、あっ」 「んっ、あぁ」  志麻の部屋には二人の声が広がった。  自分の体内に、自分の物ではないものが入っているという不思議な感じと、奥に何度も何度も突かれその回数分頭が真っ白になっていく。  僕の中が、急に熱くなった。 「あっ、あぁぁ」 「ごめん、中に出すつもりは…」 「良いよ。…それよりもっと来て」  僕は腕を志麻の首に回し、不慣れながらもキスをした。舌を入れるなどという高度なことは出来ず、唇と唇を重ね合わすことしか出来なかった。離れた時の志麻の顔は真っ赤になっていた。そして、腰の動きが一変し、比べものにならないくらい激しくなっていった。 「は、やい、んっあっあぁ」  息が荒れながら志麻は、 「ごめん、止めんのむり」  何度も何度も、体内に熱いものが流れ、僕の意識はもうろうとなっていった。

ともだちにシェアしよう!