7 / 31

食事

「あ…そう言えば名前はなんて言うの?」 公園を出る直後,そう聞かれた 名乗るのは正直抵抗があったものの,ここまで親切にして貰ってるのだから名前くらい…と思った 「海屋 … レイラ といいます。」 すると彼は目を見開いて首を捻った ここでは珍しい名前なんだろうか…? 「 もしかして … 兄弟とか,従兄弟とか,居る? 」 …? 「従兄弟は分からないですけど,兄弟なら居ました。 あんまり記憶に無いですけど…… 」 「どんな人なの?」 な,なんでこんなにも食い付いて来るんだろうか…… 少し不審に思いながらも俺はンーッと首を捻った 「俺をそのままもう1人増やした感じですかね…?そっくりだった事しか覚えが無くて……」 「そ、そっか…」 「……?」 俺が眉を下げて首を傾げれば慌てて首を振り「不安にさせてごめんね!」なんて訳の分からない謝罪を受けた 「俺の名前は望月!まだ高校生2年の坊主だけど」 高校生? 俺は聞き慣れない単語に首を傾げながら,どうして姓の名前しか名乗ってくれないのだろうと疑問を持った けど深入りはしないでおく その時「ワンっ」とフワフワが鳴く 俺は思わず微笑む 「それより何食べたい…?」 その言葉に俺はドキッとする この世界の食べ物なんて知らないし,変に答えて不審がられたくない かと言って答えないのもどうかと思う ここは無難に料理ではなく魚が食べたい…みたいに答えるべきか… 「や,野菜が好きです…」 悩んだ末に俺はそう答えた

ともだちにシェアしよう!