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食事3

「ところでそろそろ下の名前聞いてもいいですか?」 彼が料理をしている横に立って俺は呟く すると彼は目を見開いて不思議そうに首を傾げた 何なんだこの人は…… 「あれ,俺の素顔見ても分かんない…?」 「はい…?」 俺が首を傾げると彼はどこか嬉しそうに微笑んだ 「そういうのに疎いんだね?俺の下の名前は大和だよ。」 「やまと…さん……」 「そうそう大きい和みって書いて大和」 「……?」 彼は今だ微笑み乍料理を続ける 沢山の野菜の入った野菜炒めと味噌汁らしい ご飯はどうやらあちらの世界と似たようなものらしい 野菜が見たことのないものが入っていたりするがそれ以外は特に大きな違いとかはなかった 彼は器用に薄い鍋みたいなものを動かしながら混ぜる 美味しそうな匂いに思わずお腹がなってしまう 「……ッ」 多分顔が赤いと思う。 カッと頬が熱くなった それを見た彼はフフッと笑みを漏らしてから「待ってね」と呟いた 恥ずかしかった 人前でこんなお腹を鳴らすなんてこと今まで無かったのに… 俺は恥ずかしさに慌ててリビングへと戻りフカフカの椅子に座り踞った ドンドン顔が熱くなる感覚 人に聞かれたという事への恥じらいもあったが,何より彼に聞かれたことが恥ずかしかった 情けない…… 「お待たせ」 そうしてると声を掛けられて顔を上げるとそこには美味しそうな野菜炒めとたっぷり野菜の味噌汁に加え白いつやつやのお米が並べられていた 思わずゴクリッと喉を鳴らしてしまう 半日以上,何も食べてない…… そんな俺の空腹は限界を迎えていたらしい 彼の顔色を伺っては優しく微笑んでくれる 「戴きます…」 と俺は遠慮がちに手を合わせる そしてお箸を持って1口それを口に運ぶ 美味しい…!! 見たことない野菜だけれどこのオレンジ色の少し硬い奴はほんのり甘い キャベツはしんなりしているが味が染みててとても美味しい もやしはいい感じにシャキシャキしてて食感が楽しめる 「美味しい…」 俺の言葉に彼は満足気に笑う 本当にとても美味しかった

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