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行く宛

俺は満腹になり息を吐きながらくつろぐ くつろぐと言っても傍から見てあからさまな様子じゃなく精神的な意味でだ 「美味しかった?」 正面に座った彼がやんわりと笑顔を向けてくる 不意にドキッとする あまり人と接するのが慣れてないからか正面から顔を見られるのが久しぶりからか顔が熱い 俺は彼の顔を見られずに顔を伏せてると彼はいきなり立ち上がった 「やば……」 その彼の視線の先にあったのは何か文字が書かれた羅針盤みたいなものだった 「えっと俺少し出なきゃ行けなくて…ここに鍵置いておくから帰る時は鍵かけて下のポストに入れておいて!」 と慌てて部屋を出ていってしまった 俺は少し寂しくも思いながら「鍵」を見つめた 彼はどこか行き先があって出ていったのだろう… 俺も出ていかないと迷惑かもしれない… でも俺には行く宛もない どうしたものか… すると 「わんっ」 と声が聞こえて俺はキョロキョロする するととある部屋からヘッヘッと声が聞こえてくる すっかり忘れてしまっていたがフワフワの声だ そう思った時安心感がうまれその子の居るだろう部屋の戸を開ける そこは如何にもその子の部屋!という感じにおもちゃや小さい家などが置かれていた 再び「わんっ」と言って俺に飛び付いてくる 「どうしたんですか」 ヨシヨシと頭を撫でれば嬉しそうに尻尾を揺らす 可愛いな… 向こうでいう猫みたいな感じ…… 向こうには動物がいる。猫,馬,豚…後は1国に1匹ケルベロスが… 可愛いな… 俺はフワフワの毛に顔を埋める 「俺…どうしたらいいんですかね…行く宛……無いんですよね,生きていけるかな…」 俺は思わずポツポツと呟く フワフワは「?」と首を傾げた

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