19 / 31
ムカつく
翌朝,だるい体を無理矢理に起こす
ボーッと周りを見渡す
ベッドの上には俺一人で大和さんの姿は見当たらない
俺は毛布を剥いで出てみる
上は綺麗に整えられていて下はすっぽんぽんだ…
そうだ,昨日したんだったっけ…
俺は勢いよくベッドに倒れ込む
「なんなんでしょうか…」
ドキドキ胸が高鳴っていて苦しくて仕方がない
まさか…
俺はそこまで考えて頭を振る
そんなわけ無いですよね…
と自分に言い聞かせた
「あ、おはよう」
下を取り敢えず履いてリビングへ行くと大和さんが眼鏡を掛けて四角い何かを弄っていた
それから俺の顔を見るなりポンポンッと膝を軽く叩いて俺へ催促する
俺は気恥しくなりながらも遠慮がちに大和さんの膝の上に座った
「今さ,夜が短い国を探してたんだよ。夜を見たことないってことは日が落ちる前に寝て,日が登ってから目が覚めてるからじゃないかなぁって」
そういう事じゃないけど…
俺は思わず否定しそうになった言葉をグッと飲み込む
「それで,調べてたんだけど 南アフリカ共和国 此処が1番に夜が短いんだよね…」
「…」
そう言って大和さんは俺に画像を見せた
多分そのアフリカとかいう国の…
そこで俺は今まで引っかかってたとある事が確信へと変わった
俺はこの世界の人間じゃない……
そもそもここへ来た時感じたんだ
こんなに発展した国は俺が知る限りではない
ならまさかとは思うが未来へ飛ばされたか別世界に来たか…と
そして地図らしきものを今見て確信した
別世界だと言うことに…。
その事を大和さんに話すか…そもそも話して理解してもらえるのか……俺は悩んだ
「レイラー?おーい,レイラ…」
どうしようか…必死で考える…
「れーいら」
「ひゃんっ!!」
胸元をグリッと押される感覚がして体がビクッと跳ね上がる
俺が慌てて振り向くとムッとした大和さんの顔があってそこでやっと我に帰ることが出来た
「レイラってさ,初めてじゃないよね…昨日の」
そのまま服の上からクリクリと捏ねられる
「ふぅ…んッ…」
俺はもどかしい快感を感じながら両手で口を覆う
声に出したら裏返りそうなのでそのままコクッとだけ頷く
そう,俺は抱かれることは初めてじゃない
寧ろ頻度が多かった方だ
でもまぁ,過去の話だけど…
「ひぅ!?」
俺が口を抑えながら快感に耐えているとペロッとうなじを舐められる
や…やるのかな……
と何処か期待してしまう自分を殴ってやりたくなる
「なんかムカつくな…」
「え?」
俺はその言葉に思わず声を漏らした
ともだちにシェアしよう!