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ナンパ…
「レイラ此処で待ってて」
デパートについて腹ごしらえをしようとフードコートにやってきた俺達
レイラは「肉以外なら…」というので俺が買う店で適当に買おうと思って椅子に座らせて待たせた
俺の気分はハンバーガーかラーメンかな…と並ぶ店を見て考える
肉無しならラーメンでいっか…チャーシュー入ってないのもあるだろうし…
とラーメン屋に並ぶ
そこでふとレイラは何味がイイだろうって悩んで結局チャーシューの入ってないラーメンを2種類頼んでみた
レイラの食べたい方を食べさせればいっかと思って
ついでにコーラとメロンソーダも買っといた
「出来ましたらこちら鳴りますので取りに来てください」
会計を済ませて呼び出しのあの機会を貰えばレイラの元に戻る
レイラはちゃんと大人しくちんまりと座っていてそれがとても愛らしかった
そしてふととある視線を感じた
普段俺が感じる視線と少し違う
俺はその視線を感じる方向へ目をやると2人組の男がレイラを見てニヤニヤとしていた
なんだあいつら…
俺はムカッとしてレイラを隠すような位置に座った
「レイラ,出来たら一緒に取りに行こうか」
「はい」
当の本人は気付いてるのか気付いてないのかよく分からないが相変わらず無表情をしていた
「いや~美味しかったね」
「美味しかったです」
レイラはラーメンが初めてだったのか凄く食べるのに苦労して居たけど美味しかったのか何処か満足気に見える
俺達は今度は服を買おうと一旦ご飯を食べていたフードコートから別館に繋がる渡り廊下の下を歩いていた
そこは小さくも広場みたいになっていてクレープ屋が出店をしてたり子供たちが追いかけっこしてたりする
レイラは突撃立ち止まり少し離れた場所のアイスクリーム屋の出店をじっと見つめていた
「レイラ,アイス食べたいの?」
するとレイラは目をぱちくりとさせた
「お高いでしょ…」
するとボソッとホントにめっちゃくちゃ小さくレイラはつぶやいた
まーた値段とか気にする…
「そんな事無いよ?」
俺が微笑み掛けるとレイラはソワソワとしだした
結局気にするタイプだから食べたいって素直に言えないんだろうなぁ…
俺はレイラを広場のベンチに座らせて「すぐ戻るから」と言ってアイスを買いに行く
結構種類あるなぁ…また何がいいか聞けばよかった…と思いつつ俺はバニラとストロベリーを頼んだ
ド定番だからねぇ
バニラが丁度切れてたみたいで冷やすのに後5分掛かるって言うから俺はその場で待った
暫くしてからアイスを2つとも受け取る
さーてと,レイラの所に戻るか…
とベンチに目線をやった時,レイラがいない事に気が付いた
嘘!?
ふらっと何処か行っちゃうタイプの子だと思わないんだけどな…
俺は慌ててベンチの前まで行ってキョロキョロとレイラの姿を探す
すると中学生?くらいかな,その位の女の子が俺の服をキュッと握り締めて裏道?路地裏って言うのかな…そっちを指差した
女の子はフルフルと震えて俺を見上げて必死そうに俺に声を掛けた
「お兄ちゃんあの子の彼氏でしょ!!あの子,やめて下さいって言いながら男の人達に連れていかれちゃったの」
今にも泣きそうな顔で女の子は訴え掛けて来た
俺は取り敢えず「ありがとう,任せて」って言ってその子の頭を撫でてあげる
それからアイス2つを持たせて「持っててくれる?もし溶けそうになったら食べていいよ」と声をかける
女の子はこくっと小さく呟いて俺を見送ってくれた
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