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笑み

鬱陶しい… 大和さんが俺にアイスを買ってくれると行って買いに行ってからそんなに時間が経たずしてコイツらが現れた ラーメンとかいう食べ物を食べてた時にずっと嫌な視線を感じていたのは気付いてた それを気遣ってなのか大和さんがそれを防ぐ様に座ってくれたのも気付いてた けど話し掛けてくるとは思ってもいなかった 「ちょっとお嬢ちゃん来てくれねぇ?」 などと言いながらガタイのいい男が俺の腕を引っ張る 「やめて下さい」 俺は睨みつけて抵抗するも非力な故かあっさりと暗い狭い道まで連れてこられた あぁ…本当に鬱陶しい… そこまで来ると俺を連れてきたガタイのいい男と茶髪の派手な格好をしてる男と別にひょろっとした背の高い男とあまり興味無さげに何か白いものを咥えてる男1人がいた すると俺を連れてきた派手な男が俺の腰を抱き寄せてくる 気持ち悪い… 「ねぇ,彼氏なんかほっといて俺らと楽しい事シよ?」 俺は心の中で溜息を吐く 正直アホくさい 俺は昨日,大和さんがいない時に魔法が使える事を確認していた だからいざとなれば身体強化とか何でも使ってここを抜け出せる けど消耗した魔力がちゃんと戻るのかなんて確信が無いから迂闊には使えない もし戻らなければ今後ずっとしんどい思いをするのは自分だからだ 少量の魔力しか使ってないから回復したような気もするが分かりにくい量なので確信はしていない だからあまり使いたくはない 「ねぇ,無反応?もしかして怯えちゃってる?ごめんね?」 顎を持ち上げられ強制的に目を合わせられる 俺は動じずじっと彼を見つめていると彼の口角が上がった 「へぇ?平気そうじゃん」 その言葉と同時にガタイのいい男が俺の腕を後ろで纏めて抑えてくる それを確認するとひょろっとした男が寄ってきてジロジロと全身を舐め回すように見つめてくる 更には派手な男の手がスカートの中に入ろうとしてきてゾワッと悪寒が走る 「だっさい猫…直ぐに脱がしてやるよ」 ひょろっとした男の言葉に俺はプツンッと何かが切れる音がした 身体強化…一時的に身体能力を上げる魔法で戦場に出る魔導師には必須の魔法 相手の攻撃を交わしたり,他人を巻き込めない状態下に置かされた時に使う魔法だ 「その汚い手を離せ…」 俺の言葉に一瞬その場が凍りつく様な感覚がした けどひょろっとした男が「威勢がいいね」とか笑い始める 釣られて俺の身体を触る2人の男も笑い出すがそれも癪に触る 俺は手を離さない派手な男の中心目掛けて足を振り上げる 「……ッ!!」 男は声にならないのか痛みに悶えながらよろめき後ずさる それを見たガタイのいい男が「調子に乗るなよ!!」と叫びながら俺の腕を更にきつく掴む 「調子に乗ってんのはどっちだよ…」 俺はボソッと呟いて男の足の脛を蹴るすると手が緩んだのでそのまま投げ飛ばして片腕を取り彼の背中を踏みつけ固定する 少しでも動かせば腕が折れても可笑しくない状態である ひょろっとした男は既に怯えたのか腰が抜けてへたりこんでいる 情けない…… 「どうする?このままだと腕折れちゃうかも…折ったらとんな痛みかなぁ…」 俺は思わず笑みを浮かべる それから彼の手を掴み乍も撫でるように弄ぶ 昔からこういう自分が嫌になる 誰かを傷付ける時どうしようもなく楽しくなってしまう… そして後で自己嫌悪に走るんだ… 俺は笑みを浮かべたままそんな事を考えていた

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