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不安

俺は昨日何かやらかしてしまった気がする ぼーっと天井を見つめる 大和さん…遅いなぁ 本当は今日オフを貰ったって言ってたのに朝起きたら大和さんが慌ただしく身支度をしていた それかか呼び出しもらったとか言ってさっさと出ていってしまった 「暇だなぁ…」 俺はソファに勢い良く寝転ぶ それから目を閉じて彼の顔を思い出す 暇な時でもこうしてる時はすごく幸せな時間 好き… 初めて会った時から何か惹かれるものを感じで…… 初めは人と正面から接するのが久しぶりだから緊張してるのかとおもった でも,優しくされて,頭を撫でられて…いつの間にか離れられない程好きになってた 「好き…」 小さく呟く 誰にも聞かれてないはずなのに凄く胸がドキドキして痛いくらい 眠たいな… いつの間にか寝ていたのか目を覚ましたら外は既に暗くなっていた 何時なんだよ… 未だにこちらの時計を読めない俺は時間の把握があまりできてない ご飯でも作っておこ… 俺は冷蔵庫の前に立って扉を開く それから首を傾げて何作ろうか考える スープ系でもいいかも,野菜たっぷりのあったい… 「レイラ…!!」 そんな事を考えていたら勢い良く扉が開く音がして大和さんが叫ぶ様に俺の名前を呼んだ 俺は慌てて玄関に行く 「どうしたんです…ッ!?」 玄関に向かうなりいきなり手を握られる しかも力強く 「ちょっと付いてきて」 それから大和さんは俺に有無言わさず外に引っ張り出しては家の鍵を閉めた 「く,くつ…… 」 俺が不安げに声を出すといきなり俺の身体は宙に浮いた 大和さんに抱えられたのだ ちょ,何なんですかこの状況ッ 俺が混乱したまま大和さんは駆け足で階段を降りていく 怖くなって大和さんの首にしがみつく様に抱きつく それからマンション下に止まっていた車に一直線で向かう大和さんに不安を更に感じながらキュッと控えめにしがみつく 車の後頭部に乗った大和さんは俺を横に座らせた 「ごめんね,緊急事態なんだ」 そう言ったのは大和さんじゃなくて運転席に座っていた見知らぬ男性だった 俺は少し警戒しつつ大和さんにぴったりくっつく けど大和さんは今までみたいに頭を撫でてくれたり「大丈夫だよ」と声を掛けてくれない それが更なる不安を掻き立てる 車が走り出した 初めて車に乗った ここに来てから乗ってみたいと楽しみにしていた乗り物の筈なのに今は怖くて仕方がない 俺はもう一度大和さんの腕にしがみつく様抱きつく 肩に顔を埋めて微かに肩を震わせる 怖い…… 「雪田さん…」 「大丈夫だよ。前から以外は見えない」 大和さんが多分運転してる人の名前を呼ぶとそう言っていた どういうことか俺には理解出来なかったけど大和さんは端に置いてた帽子を被ってから俺の身体を持ち上げて膝に乗せてきた 俺は不思議に思ってキョトンっとしてしまう すると漸く大和さんが優しく微笑み掛けてくれる 「怯えさせてごめんね」 優しく包み込む様に大和さんの腕が俺の背中に回る 俺の顔は気付けば大和さんの胸元にあり不安が一気に掻き消された 「大和さん…ッ」 俺はギュッと力強く抱きつき返した

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