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第37話*

 ――そうか、今は普通の精神状態じゃないから……。  心が痛むあまり、誰かに慰めて欲しくて自分から温もりを求めてしまうのは、ある意味仕方のないことだ。誰でもいい……みたいなやけっぱちな気分になっていたとしても、責めることはできない。九尾は何も悪くない。  ――今回ばかりは、しょうがねぇよな……?  そう自分に言い聞かせつつ、晴斗は布団の上にそっと九尾を寝かせた。買ったばかりのパジャマのボタンを外し、白い素肌に手を這わせる。  手始めに胸の突起を指で弄ってやったら、九尾は艶っぽい吐息を漏らし始めた。特に抵抗することもなく、晴斗のやっていることをただ見つめている。舌で舐めても軽く歯を立てても、ほとんど嫌がらない。甘い声で控えめに鳴きながら、完全に身を委ねてしまっている。  どこまで進んでいいのか少し迷いながら、晴斗は胸を愛撫し続けた。  しばらくすると、上品な薄桃色だった乳首がぷっくりと赤く膨らんできた。紅い宝石みたいなものが白い胸から尖り出ている。ジンジン腫れ上がって痛々しいほどだ。そこを更に舌で転がしてやると、九尾はびくりと顎を跳ね上げ、 「っ! あ、うんん……っ」  綺麗に背中を反らせ、ぶるぶる震え始めた。所在なさげな両手を晴斗の頭に添えて、荒っぽい息を吐き続ける。  感情が高ぶって神経が過敏になっているのか、ほんの少しの刺激にも敏感に反応した。前歯がちょっと触れただけでも、びくびく身体を痙攣させている。 「ああ……あ、晴斗……」 「ん?」 「その……こっちも……」  もどかしげに腰をくねらせ、片膝を立ててくる。股間の布地を押し上げて存在を主張してくるそれは、明らかに直接的な刺激を欲していた。よく見れば、先端がうっすら湿っている。

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