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第123話*

「き、九尾? どうしたんだ?」 「お茶はいらない。それより、晴斗が欲しい」 「っ……」  唇をぶつけられ、そのまま後ろに押し倒される。唇の表面を舐められて、何度もちゅっ、ちゅっと角度を変えて啄まれた。ふわふわの尻尾で脇腹をくすぐられ、力が抜けた途端、舌を差し込まれる。 「んっ……ん、ん……」  鼻にかかった声を漏らし、甘いキスを見舞ってくる九尾。「好き」という想いを隠しもせず、素直に晴斗にぶつけてくる。その気持ちが強すぎて息苦しいほどだった。 「はあ……」  ようやく唇が離れ、晴斗は九尾を見上げた。彼の銀髪と同じ銀の糸が、唇同士を繋げていた。とろんとした目がねだるように見つめてくる。恥じらいの色は伺えなかった。 「……九尾、本当にどうしたんだ? なんか急に大胆になってないか?」 「そうだろうか。私は大胆とは思わないが……晴斗はこういうこと嫌いなのか?」 「いや、全然嫌いじゃないけどさ。でも、今までと性格が変わってる気が……」  そう言ったら、九尾はしょんぼりとキツネの耳を萎らせた。 「……そうか。だったらもうやめる。あなたに嫌われたくない」 「いやいや、違うって。九尾から誘われたからびっくりしただけだよ」 「だけど……大胆な私は苦手なんだろう?」 「いや、全然」  ごろりと身体を反転させ、九尾を下に敷く。 「こういう大胆さなら、むしろ大歓迎だぜ?」  ちゅっと唇を吸い上げると、九尾は心底ホッとしたようにそれに応えてきた。  音を立てながら濃厚な口付けを交わしつつ、服の裾から手を入れる。腹部から胸元に向かって撫で上げただけで、九尾はヒクンと身体を震わせた。嬉しそうに背中に手を回して来て、そのままギュッと抱きついてくる。

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