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第126話*

「ああ、あ……もう、ん……っ」 「九尾……」  上目遣いで九尾の様子を窺ったら、彼は切なそうに指を咥えていた。白い頬は赤く染まり、紫色の目は涙に濡れ、唇から湿った吐息を漏らしている。艶めいた視線をこちらに送り、まるで「もっとしてください」と挑発しているみたいだった。  晴斗は三本の指を引き抜き、硬く張り詰めた自分自身に手を添えた。わざと見せつけるように取り出してやったら、九尾は食い入るようにそれを見つめ、こくりと喉を鳴らした。下の口もぱくぱく蠢き、いやらしい涎を溢れさせている。 「欲しい?」  入口にピタリと当てたまま聞くと、九尾は小さく頷いて、 「……欲しい……ください……」  自分から腰を擦り付けて強請ってきた。  ――ホントに大胆だよな……。  晴斗は心の中で苦笑しつつ、肉塊をぐっ……と押し込んだ。 「あっ、あ……あああっ!」  途端、九尾が嬌声を上げ、上体を弓なりに反り返らせた。何の抵抗もなく晴斗を奥まで受け入れ、熱くとろけた肉襞を欲望に纏わりつかせている。腰を揺すって最奥を突き上げ、ぴったり密着させたら、九尾はいとも簡単に熱を噴き上げた。 「はう、あ……ああ……」  挿れたばかりだというのに、あっけなく堕ちるいやらしさ。初めて慰めた時も思ったが、驚くほど反応が早い。  ――ったく、あの陰陽師め……。  何も知らない九尾を仕込み、快感に弱くセックス大好きな身体に作り変えた。それでいて普段の品のよさは損なわせず、総毛立つような色気は保たせている。このテクニックにはさすがに脱帽だ。少なくとも、自分にはこんなテクニックはない。 「あ、待っ……あうっ!」  絶頂の余韻が残っている九尾を突き上げ、休ませることなく二度目の勃起を果たさせる。細い腰を掴み、力が抜けている彼を揺さぶって、以前見つけた性感帯を中心に刺激してやる。

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