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第127話*
「ま、待って、お願い……激し……ああっ!」
イったばかりの身体には刺激が強すぎるのか、喘ぎ声も切羽詰まってきた。飲み込みきれなかった唾液が唇からこぼれ落ち、涙や汗が飛び散り、布団のシーツをたっぷり濡らしていく。そのくせ中はますます熱く燃え上がり、嬉しそうに収縮して晴斗のものを締め付けていた。感じている証拠だ。
奥を突きながら腹の間の陰茎に手を伸ばし、軽く上下に扱いてやる。
「あっ、あっ……ああ……ん、待って、それはだめ……っ」
「なんでだよ? 気持ちいいんだろ? 前と後ろ、どっちもイイんだよな?」
「でも……ああ、だめ……また……っ」
ぶるりと身体を震わせ、再び吐精する。ねっとりした白濁が股間を濡らし、晴斗を咥え込んでいた後孔がきゅっと一際強く引き締まった。思わず自分もイきそうになった。
晴斗は動きを止め、九尾の顔を上から覗き込んだ。
「またイっちゃったのか? 中を突かれるの、そんなに気持ちいい?」
「っ……すまない……」
「いや、いいけどな。感じてくれた方が俺も嬉しいしさ。でも……」
ぐったりしている彼を撫で、晴斗は一度腰を引き抜いた。失うのを嫌がるように欲望に粘膜が絡み付き、先端を抜いた時、ちゅぽん、といやらしい音が出た。
「晴斗……?」
突然刺激がなくなって、九尾はややむくれたような顔になる。こんなところで放置しないでくれ、と目で訴えていた。内股を擦り合わせ、もどかしそうに腰を揺らしてくる。本当にこのキツネさんは快楽に貪欲だ。
「ちょっと待ってな」
宥めるように軽くキスを落として、晴斗は引き出しから荷造り用の紐とティッシュペーパーを取り出した。紐を適当な長さに切り、ティッシュはくるくると捩って紙縒り状態にする。
それを持って九尾の元に戻った。九尾は訝しげにふたつの道具を眺めた。
「……? そんなものどうするんだ?」
「ああ、これをさ……」
ニヤリと笑いながら、晴斗は紐を九尾の陰茎に巻き付けた。
「っ!?」
息を呑み、驚愕に目を見開く九尾。
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