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第131話*

 達する寸前、晴斗は素早く紙縒りを引き抜いて紐を外してやった。そして嬌声を上げ続ける恋人の口を塞ぎつつ、最奥に熱を放った。 「んっ、んんぅ……っ!」  くぐもった悲鳴を漏らし、打ち震える九尾。解放された陰茎から高々と白濁が噴き上がり、腹の間に飛び散った。 「う、ん……ああ……」  欲望の全てを出し切るべく、二、三度腰を動かし、それからゆっくり己を引き抜いた。  九尾はすっかり力が抜けてしまったのか、抱きついていた腕をパタリと落とし、ぐったりと身体を布団に沈み込ませた。しどけない格好のまま浅い呼吸を繰り返しており、目の焦点もぼやけてしまっている。  晴斗は九尾の頬に軽く口づけ、聞いた。 「どうだったよ? 今のプレイは。意外とよくなかったか?」 「…………」  涙に濡れた目でチラリとこちらを見てから、九尾は視線を逸らした。そしてやや躊躇いながら、こう呟いた。 「……悪くはない、と思う……」 「あ、やっぱり? 九尾ならそう言ってくれると思ってたよ。じゃあまた今度やってみような」 「……時々でいい。毎回これだと辛い……」 「慣れれば気持ちよくなるって。もっと本格的な緊縛プレイとか、大人の道具を使ったプレイもあるしさ。これから少しずつ試していこうぜ」 「……はあ。本当に今は、性交渉ひとつにしてもいろいろなやり方があるんだな……」 「そうだよ。現代に生きるって楽しいだろ? ホント、三途の川を渡らなくてよかったよ」 「晴斗……」 「これからずっと、一緒に楽しく生きていこうな……九尾」  そう言ったら、九尾は幸せそうに微笑んでくれた。

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