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ベッドへ
達した途端、湯船にもつかってないくせにのぼせたようにぐったりとしてしまって、ナオトはリョウにもたれかかってしまう。
そのくせ、いつもなら出してしまえば戻ってくる平常心は今日に限って戻ってくる気配はなく、何だか夢を見ているようなふわふわとした心地よい気分が消えない。
「大丈夫?
とりあえず、水飲んで」
幾分慌てた声のリョウが、店から持ってきたカゴから出したミネラルウォーターのミニボトルを開けて渡してくれたので、手を添えてもらって少しずつ飲む。
風呂場に置きっ放しだった水はぬるかったけれど、喉が渇いていたのか、すごく美味しく感じられた。
1本飲み終えると、だいぶ体が楽になった気がする。
「のぼせるといけないから、もう出ようか」
「はい」
ナオトがうなずくと、リョウはシャワーで体についた泡とナオトが出したものを洗い流してくれた。
リョウの手を借りて立ち上がり脱衣所に出ると、リョウがバスタオルで体を拭いてくれて、少しふらつく体を支えてベッドまで連れて行ってくれる。
やたら大きいベッドに体を横たえると、だいぶ楽になった。
のぼせかけたのかと思ったが、どうやら単純に脱力してしまっただけだったらしい。
「もっと水飲む?」
「いえ、大丈夫です。
横になったら楽になったし」
少し心配そうなリョウにそう答えると、リョウは微笑んだ。
その笑顔に思わず見とれていると、リョウが身をかがめてベッドに手をついた。
「じゃ、いいかな?」
何が?と聞く暇もなく、リョウはベッドの上に上がってきて、ナオトにおおいかぶさってくる。
ナオトは全裸でリョウもビキニひとつ。
そのうえ、ナオトの足の付け根あたりに当たっているリョウのアレは、まだ固いままだ。
それに気付くと、少し体が落ち着いたと思ったのに、またのぼせたように鼓動が早くなり、頭がくらくらしてくる。
熱に浮かされたようにうっとりとリョウを見つめるナオトを、リョウはまるで愛おしい人を見るかのような眼差しで見つめ返してくれる。
そのまま近づいてくる端正な顔をぼうっと眺めていると、リョウは何かに気付いたように、あ、と小さな声を上げた。
「キス、NGなんだっけ?」
そう言われてようやく、ナオトは自分が今、キスされようとしていたことを理解する。
それと同時に脳裏にふっと二人が唇を重ねている光景が浮かんで、また、体温が上がる。
「いい、です……。してください……」
これが風俗だとか、ファーストキスが風俗なのは嫌だと思ったことは、もうどうでもよくなっていた。
今考えられるのはただ、リョウが自分にしてくれることを、全部余さず感じ取りたいということだけだ。
ナオトの答えに、リョウは目を細めて小さくうなずいた。
再び近づいてきたリョウの顔が自分のそれと重なる直前に、ナオトはなんとか目を閉じることが出来た。
唇って、本当に柔らかいんだ……。
小説の中でしか知らなかったその感触に感動していられたのは、ほんのわずかな間だけだった。
無意識のうちに薄く開いていた唇の隙間を割って入ってきたリョウの舌に、ナオトはすぐに翻弄されてしまう。
ナオトの口の中にあるのと同じものだとは思えないほどに、リョウの舌は自在に動いてナオトの快感を高めていく。
気付けばナオトの股間のものも、さっき出したばかりだというのに、また勃ち上がり始めている。
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