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お風呂の外で★
恥ずかしいことを、ためらいもなくはっきりと口にすると、中に入っていたままだった指を抜かれ、両手でぎゅっと抱きしめられた。
そのままリョウに「後ろからの方が楽だから」とうながされ、椅子を脇に退けてバスマットの上に四つん這いになる。
その格好を恥ずかしいと思っていると、後ろからリョウが覆いかぶさってゆっくりと押し入ってきた。
十分に中を蕩けさせられていたおかげで、苦しい感じはするけれど痛みはない。
それよりもリョウの太いもので中を擦られる感触がただただ気持ちよく、また自分の中を好きな人のもので満たされていく感じが何とも言えず幸せである。
やがてナオトのお尻にリョウの体が触れ、リョウのものがナオトの中に全部入ったことが分かった。
「分かる……? 奥まで届いたよ」
甘くかすれたリョウの声に、ナオトもうなずく。
「うれしい……」
思わずそうつぶやくと、ナオトの中のリョウがぐっと力を増した。
「動くよ」
そう言うとリョウはナオトの答えも待たずに動き出した。
そうなるともう、ナオトはただただ翻弄されるしかない。
入り口ぎりぎりから一番奥まで大きく抜き差しされたり、さっき指で探られた一番良い場所をしつこいくらいに擦られたりして、ひたすら気持ちよくて喘ぎ声が止まらない。
「あんっ……イくっ…イくっ……!」
夢中でそう叫ぶと、後ろから「俺も」と短くつぶやくのが聞こえた。
「一緒にイこうか」
リョウの言葉に何度もうなずくと、リョウの手が勃ち上がったままのナオトのものに添えられた。
そのまま握られたものを一気に擦り上げられ、ナオトはあっという間に上り詰めてしまった。
ほぼ同時に中が濡れたもので満たされるような感触があって、リョウの方も達したことを知る。
静かになった浴室の中、男二人分の荒い呼吸音が響く。
体に力が入らず、頭も何も考えられないくらいにぼんやりとしてしまっているけれども、体も心も満たされていて、ナオトは幸せだった。
「好きだよ」
そんなふわふわした夢心地の中で聞こえた言葉は、一瞬幻聴かとも思ったけれども、紛れもない現実だった。
「えっ……」
「えって何、えって」
ナオトの反応に不機嫌そうな声でそう言うと、リョウはナオトの中に入っていたものをすばやく抜いて、その感触に思わず声を上げたナオトを、かまわずに抱き起こした。
向き合ったリョウの顔は真剣そのもので、とても冗談を言っているようには見えなかった。
「俺、好きでもない子を、こんなふうに自分の部屋に入れたり、抱いたりしないよ。
そもそも、いいなって思わなかったら、ホテルに連れ込んだりしないしね」
「うそ……」
あまりの急展開が信じられなくて思わずそうつぶやいたのだが、リョウはむしろ自分の言葉が信じてもらえなかったと受け取ったらしい。
呆然としているナオトを見て、リョウははあっと大げさなため息をついた。
「もしかしたら、ただの店員と客としか思われてないのかなとは思ってたけどね。
それでも今日はナオトも積極的になってくれてたから、ちょっとは期待してたんだけど」
恨めしそうに言われてしまい、ナオトがおろおろしていると、リョウは再びため息をついた。
「あーもう、仕方ないよな。
ナオトのこと騙して連れ込んだ俺が、全面的に悪いんだから。
だいたいナオトは最初から逆ソープのサービスが受けたくて来てるんだから、ホテルでも俺の家でも、風呂場だったら店のサービスの一環だと思っても当然だよな」
不服そうな表情でそう言うと、リョウは急に、あの少し意地悪そうな顔になった。
「ま、今は店員と客としか見てもらえてなくても、これから好きになってもらえばいいだけの話だよな。
とりあえずは、俺がちゃんと本気でナオトのこと好きだってこと、思い知ってもらおうかな。
ああ、もちろん、お風呂の外でね」
そう言って鮮やかに微笑んだナオトの顔は、間違いなくさっき抱かれる前に見たのと同じ、情欲に満ちた獣の顔だった。
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