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狂愛とは
「あぁ、らめぇぇー、出さないれぇ」
あれから何時間が経ったのだろうか。
帝は、中に自分の子種を注いでは
また激しく動く。亮はもう何も考え
られなくなっていた。
「まだ、首筋を噛んでないから
孕まないがお前は一生我のもの。
絶対に離しはしない」
「僕は、りゅう、いちのもの?」
「そうだ、ずっと私のものだ」
何度も耳元で言われると、まるで
ずっと前からそうだったかのような
錯覚を覚えさせた。
「亮。二度とお前を外の世界には
出さない。一生ここにいてくれ」
意識がないので返事はこない。
部下が運んできた鎖を寝床と左足に
つけた。これで、綺麗な蝶は誰も
見られない。蝶の良さは私だけが
知っていればいい。
こんな私の愛は狂っているのだろうか
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