29 / 34

狂愛とは

「あぁ、らめぇぇー、出さないれぇ」 あれから何時間が経ったのだろうか。 帝は、中に自分の子種を注いでは また激しく動く。亮はもう何も考え られなくなっていた。 「まだ、首筋を噛んでないから  孕まないがお前は一生我のもの。  絶対に離しはしない」 「僕は、りゅう、いちのもの?」 「そうだ、ずっと私のものだ」 何度も耳元で言われると、まるで ずっと前からそうだったかのような 錯覚を覚えさせた。 「亮。二度とお前を外の世界には  出さない。一生ここにいてくれ」 意識がないので返事はこない。 部下が運んできた鎖を寝床と左足に つけた。これで、綺麗な蝶は誰も 見られない。蝶の良さは私だけが 知っていればいい。 こんな私の愛は狂っているのだろうか

ともだちにシェアしよう!