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事実は
「帝、今日はどうして裁判所に
行かれるのですか」
「行けば分かる」
これ以上帝は話そうとはしなかった。
口調からして怒っているようだった。
裁判所につくと、麗様と美香様、
女官達が立っていた。
「これから裁判を始める。まずは
麗、そなたは美香と亮が1日中
共にしてよくない事をしている
と言っていたな」
「・・はい」
「斉藤医者、美香が妊娠している
か調べよ」
医者は道具を使って調べ終えると
結果を報告した。
「妊娠しておりません。女性医者
に調べさせたところ、そう
いった行為はしていないと証言
しています」
「麗の女官佳織、知っている事を
全て話せ。お前に罰は与えない」
「・・はい。麗様は美香様と亮様
を陥れる為に、事実と異なる
証言をすると言っておりました。
また、亮様を王宮から追い出す
為に帝が妹様といるところを
見せると自慢げに話しておりました」
「麗、最後に言いたい事はあるか」
刑罰についての本を見た事がある。
もし、帝に事実でない事を報告
した場合死罪になる。亮は帝の
命令で、人を殺める事は出来るだけ
避けたいと思った。
「帝、どうか命は奪わないで
下さい。今回は私も信じて
しまった事も問題です」
「確かにそうだな。麗には拷問で
死なせるよりも辛い罰を与える。
女官1位から女官10位に降格
させ、給料も銅1つにする。
亮、そなたには麗が迷惑を
かけたよって女官4品に昇格
美香は女官3品に昇格」
帝は死罪を命令せず、身分を降格
させる事で罰を与えて裁判を終えた。
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