9 / 34

内密な話

「亮、早速で悪いが内密な話がしたい」 「はい」 先程より深刻な顔をしていたので 真面目な話なのだろうと予感した。 「今日2回目の試験で私と同じ女官  3位がいたな。あれは(れい)だ。  昔は大人しくしていたが、今平民  の税金を不正に使用しているとの  情報が入っている」 「しかし、女官3位様。平民の税金は  財政局が管理しているのではないで  しょうか」 「あぁ、そうだ。しかし、麗は財政局の  者と親密な関係らしく2人が税金の事を  話をしていたのを職員が見たらしい」 色々とややこしい事情がある事は 分かった。もし、この不正を暴くには 財政局の職員の証言が必要になって くる。 「2カ月後に皇后陛下の誕生を祝う行事  がある。そこでもし、麗が女官2位に  なれば、財政局と繋がる事ができる。  そうなれば、税金が正しい事に使われ  なくなる」 「だから、女官3位様は自分の身分が  上がれば麗様を止める事ができると  考えておられるのですね」 「私の名前は美香だ。2人の時は  名前で呼んでいい。  そうだ、出来るだけ自分から止める  ようにしたいのだが」 話を聞いていると、(おとしい)れようとは 考えていないようだったので、協力 する事に決めた。

ともだちにシェアしよう!