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皇后陛下
「皇后陛下失礼いたします」
「今日は、見知らぬ顔の女官が
いるな」
少し緊張したが、優しく迎えてくれた
ので、安心した。
「女官7位 谷川亮でございます。
今日は着物の大きさや色を
決めたいと思っています。
美香様、少し皇后陛下と2人に
してもらえないでしょうか」
「分かった」
着物の大きさや色も大事だが
皇后陛下には聞きたい事が1つ
あった。
「恐れながら、聞きたい事が
ございます。皇后陛下は何故
麗様と、美香様の役割を交代
したのですか」
「そんなに身構えなくても良い。
麗には悪いが着物がいつも
同じ色で飽きているのだ。
後、50を過ぎている私にとって
重い」
皇后陛下は笑いながらそう話をした。
採寸をしている間にも美香様の話を
よくしていたので、よほど信頼されて
いるのだと分かった。
「もし、そなたらが良いものを作ったら
昇格させよう」
「感謝します」
礼をして、屋敷を出ると美香様が
待っていた。
「皇后陛下は着物があまり気に入って
いないようです。もし、良いものを
作ったら昇格させようと仰って
おりました」
「そうか、明日から一緒に作ろう」
皇后陛下に着物を気に入ってもらえる
ように頑張ろうと思った。
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